残念すぎる「吉本興業社長会見」芸人の人生を軽く考えすぎではないか

彼らの人権感覚が露わになった
原田 隆之 プロフィール

これはまず、二人が真摯に反省している様子が伝わってきたことや、吉本興業のパワハラとも言える恫喝まがいの「新事実」の証言がなされたことなどが理由である。

宮迫さんは、吉本に謝罪会見をしたいと申し出ていたのに、事態を静観したい会社側はそれを頑なに阻止し、「やるなら連帯責任で全員クビだ。それだけの力がある」と恫喝されたという。

特に、いつもはお人好しで口下手で知られる田村さんが、涙ながらに、しかし理路整然と、吉本批判を展開したことが、大きな注目を集めた。

会社にとっては子どもである所属芸人が、謝罪会見をしたいと言ったとき、謝罪の仕方を教えるのが親である会社の役目であるのに、謝罪してはいけないと言われたと、不信感を露わにしたのである。

また、テレビ局は吉本の株主であるから大丈夫と言われたと述べて、テレビ局とズブズブの関係にあることも批判した。

 

問題の本質

闇営業問題は、その根底に若手芸人の不安定な労働条件があると、これまでも指摘されてきた。この会見でも、そもそも所属芸人は会社と文書で契約を交わしていないことなど、杜撰で不安定な雇用状態が明らかにされた。

つまり、これら一連の問題が、芸人の軽はずみな行動によるということだけでなく、労働問題であること、そしてその後の対応は、会社のトップによるパワハラという人権問題でもあることが、明らかにされたのだ。

これを受けて、不安定な状態で雇用しておいて、問題があれば会社に傷がつかないように、軽々しくクビを切るというやり方に対して、世間の人々が、吉本側ににわかに厳しい目を向け始めたということだ。