口コミサイトの「星一つ」は名誉毀損か。内容証明がきた事例も…

弁護士の見解

先日、ランジェリーブランドなどを手がけるデザイナーで経営者のハヤカワ五味さんが、自身が通う歯科が高額な自費治療を執拗に勧めてくることを批判する口コミをGoogleマップに実名で投稿したところ、わずか5日後に、口コミの内容が名誉毀損であるとして、削除を希望する内容証明が送られてきたことをツイートし、話題になった。

 

ハヤカワさんはその口コミの投稿を削除したものの、「5日前にこちらに口コミを書いた後、●●歯科の弁護士事務所を通して削除希望の内容証明が送られてきたので、口コミを削除致しました。皆様も口コミ内容にはお気をつけください。」と新たな口コミを星一つの評価とともに投稿。

すると、それに対し先方から再び内容証明が届き、そこには「このような記載がなされれば、通知人が、削除請求を行うための法的根拠がないにもかかわらず、口コミに対して弁護士を用いて『削除希望』の通知を行って削除させているかのような印象を閲覧者に与えてしまう」といった指摘とともに、「星一つの評価それ自体も通知人の社会的評価を低下させる記載です」という一文もあったという。

ネットでは、「口コミしたら5日で内容証明が送られてくるって怖い」「星一つの評価自体が問題ならサービス提供者側に文句を言え」といった反応が起こった。

ネット上の口コミサイトで病院や飲食店に低い評価を下したり、批判したりした場合、今回のように内容証明が送られてくる、というのはそうそうあることなのだろうか。また実際に起きたら、どのように対処すべきなのか。弁護士の野島梨恵氏に聞いた。

※以下、野島氏による寄稿。

「星一つ」は名誉毀損になり得るのか

〔PHOTO〕iStock

美容院や病院、飲食店などにとって、ネットの口コミの影響は大きい。悪い口コミを書き込まれ、売上が激減した。口コミを書いた相手を訴えたい。名誉棄損で慰謝料を取りたい。または、減少した分の売り上げを、損害として賠償請求したい。いや、名誉棄損で告訴してやる、と考える経営者は多い。

そういった経営者たちがサイト管理者に、「星一つ」をつけたユーザーの情報開示や、その投稿の削除を求めた事例は、それなりに存在する。しかし、発信者の情報開示も、また投稿削除請求も、評価に「星一つ」をつけたということだけでは認められにくい。星一つでの名誉毀損や損害賠償などが、百パーセント認められない、とは断言できないが、きわめて厳しいことは断言できる。

それでは、口コミの内容に問題があるとして書き込んだ相手を訴えることはできるのか、というと、これもなかなか難しい。そこには大きく分けて二つのハードルがある。