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渋谷の大豪邸に住む大金持ちの「正体」ご近所に総理やユニクロ社長…

敷地面積380坪、絵画だけで30億円

渋谷区の多くの地域は、江戸時代、大名屋敷や旗本などの武家屋敷が建ち並んでいた。この中でも、山の手の環境の良いエリアが高級住宅街として発展する。どんな大富豪が住むのか、話を聞いてみた。

政財界の大物が住む街

渋谷駅周辺は流行の先端を行くショッピングと娯楽のエリアだ。一日に約50万人が横断して世界最大の交差点と名高いスクランブル交差点では、まばゆいデジタル広告の下を大勢の人が行き交う。

しかし、駅周辺の喧騒を離れれば、空気はガラリと変わる。約15平方キロメートルの渋谷区には、松濤を中心として東に広尾、西に大山町といった閑静な高級住宅地がいくつも点在しているのだ。

渋谷区は、政財界の大物や有名人が居を構える土地としても知られている。安倍晋三や麻生太郎といった政治家から、楽天の三木谷浩史などの財界人まで枚挙に暇がない。

ところが、実際に渋谷区を歩いてみると、彼らのような有名人の大邸宅をはるかに上回るような豪邸に住む住人たちもいる。本物の大金持ちである彼らに話を聞いた。

渋谷駅の雑踏を抜けて徒歩約10分、少し坂道を上がると突如広がる高級住宅地が松濤だ。

大塚家具の創業者・大塚勝久などの企業オーナーや、森進一や扇千景といった芸能人の屋敷が建ち並ぶことから、〝日本のビバリーヒルズ〟と呼ばれている。坪単価は、約500万円だ。

その中でも、さらに地価が高いとされる1丁目に、ひときわ目立つ大豪邸がある。堅牢な石塀に囲まれたこの家は、通常の家の1階部分に当たる部分が石製の駐車場になっていて、ベンツなど外車がズラリと並んでいる。

高級マンション一棟かと見間違うばかりのこの豪邸に住むのは山崎雄貴さん(仮名・73歳)だ。かつては整形外科医として病院の院長をつとめていたという。隠居した現在は、築20年で約130坪のこの家に住んでいる。

「私と妻、2人の娘家族の3世帯が暮らしています。リーマンショックの翌年に、9億円の中古物件として売り出されていたものを購入しました。父から相続した地方の不動産をバブルのときに売却したおカネで購入しました」(山崎さん)

 

上には上がいる苦労

この3階建ての邸宅には、かつて俳優の舘ひろしが賃貸で住んでいたという。外壁が青色で統一された2階や3階には庭園があり、四季折々の樹木が植えられている。

屋上には広いスペースがあり、夏になると孫たちとバーベキューをするのが何よりの楽しみだという。

これだけ聞くと、何一つ不自由ない生活を過ごしているように感じられるが、「土地柄なのか、思わぬ苦労があります」と山崎さんは嘆息する。

「松濤は芸能人や社長クラスが住むには良いと思いますが、そうではないとストレスが溜まります。近隣の方に『この家は、どうやって買ったのかしら』と聞かれた妻が、『義父から買ってもらったんです』と答えると鼻で笑うそうなんです。

私たち夫婦に財力があるわけじゃないと見下したんでしょう。こうした住民同士の格付けが起こっているのを知ると、煩わしくなりますよ」

維持費や固定資産税も馬鹿にならない。今年だけで200万円以上もかかったという。

また、物件の価値があまりに高いため、相続することを考えても息子と娘夫婦の間で「争続」になりかねない。売却することも検討したが、妻から反対されたという。

「松濤から出ることに、『都落ちになる。売ったとしても、次に住むのは1億円以上のマンションじゃないと嫌』なんて言うんです。

ここに住んでいるというステータスを手放したくないんでしょう。ふざけんじゃないよって話です。でも、子供も家は残してほしいと懇願するから、困り果てています」(山崎さん)