宮迫・亮が大暴露した吉本とテレビ局の「危うい関係」その来歴を探る

どんな「相互依存」があるのか
加谷 珪一 プロフィール

吉本はあまりにも大きくなり過ぎた?

一方、芸能事務所側も最大の顧客であるテレビ局が株主ということになれば、経営に緊張感がなくなり、タガが緩む可能性もある。

今回の会見で田村氏は「(吉本側から)在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫だ」と説明されたと証言している。この発言が正確に何を意味しているのかは不明だが、テレビ局との関係が緊密なので、情報もコントロールできるし、一連のトラブルにも対処できるという文脈に読める。

これまでの時代なら、事務所のこうしたスタンスについてタレント側もある程度、納得し、どこかで着地点を見つける結果になっていたかもしれない。だが、宮迫氏と田村氏はそのようには行動しなかった。

 

昭和の時代までは、馴れ合いと濃密な人間関係で仕事を進めていくことも不可能ではなかっただろうが、令和の時代にはもはや通用しなくなっており、何より、旧態依然とした商習慣を維持するには吉本興業は大きくなりすぎた。

同社が上場を廃止する直前の2009年3月期の業績は、一般企業の売上高に相当する営業収入が約490億円もあり、出演や制作などに関わったテレビ番組の本数は2万5000本とかなりの規模になっていた。

一方で同社は、上場廃止から6年後の2015年に資本金を125億円から1億円に減らす減資を実施している。税法上の中小企業になることで税制面での優遇を受けることが目的と考えられるが、大企業としての業態と、中小企業としての資本政策はちぐはぐに見える。

同社は非上場化によって業績を公表しなくなったので、限られた情報から判断するしかないが、2018年には資本準備金の減額を実施したことなどを考え合せると好調とは言い難い。タレントや芸人との契約関係のあり方、テレビ局とのビジネスのあり方など、総合的な見直しが必要な時期に来ているのは間違いないだろう。