地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1883年のこの日、日本で初めての私立鉄道会社「日本鉄道」が運営する鉄道が、東京の上野から埼玉の熊谷の間(現在の東北本線と高崎線の区間)で開業しました。
「日本鉄道」は、岩倉具視(いわくら・ともみ、1825-1883)など華族によって設立された株式会社で、後の東北本線(東京~青森)や高崎線(大宮~高崎)、常磐線(東京~仙台)などもこの会社が建設したものです。
本来、明治政府は鉄道は国が敷設して国が保有すべきであるという方針でしたが、西南戦争の出費などで財政が窮乏しており、その一方で鉄道網の充実は急務であったため、民間資本を取り入れて鉄道を敷設することになったものです。
日本鉄道の設位と開業をきっかけに、山陽鉄道(山陽本線)・九州鉄道(鹿児島本線、長崎本線など)・北海道炭礦鉄道(函館本線の一部など)など、日本各地で私鉄が創設されました。
しかし、軍事的にも、経済的にも、主要な鉄道は国有であるほうが有利だとされるようになり、1906年の鉄道国有法によって多くの私鉄が日本国有鉄道(国鉄)に統合されることとなりました。
なお、馬車による鉄道まで含めると、1880年に設立された「東京馬車鉄道」が日本初の私立鉄道会社といわれています。