「安倍外交」とは何だったのか…政権7年間の真価が今問われつつある

結局、「外交での成果」は上がったか
宮城 大蔵 プロフィール

真価が問われる局面に

つまり、「強力な政権基盤を、困難だが重要な外交を展開するために用いる」のではなく、逆に「求心力を維持し、政権基盤を強化するために外交課題を動員する」という構図である。そうなると外交の焦点はその場、そのときの内政上の思惑と絡んで定まらないだろうし、実りある成果を導き出す上で不可欠な、外務省事務方による入念な下ごしらえも難しいだろう。

前述のように安倍首相自身が政権運営のコツとして、「結果じゃない。「動いている」感覚が大事だ」というわけだが、第二次安倍政権が7年近くに及ぶものの、具体的な成果に乏しいと言われる理由がこの辺りにあるのだとすれば、事はなかなか深刻なのかもしれない。

 

このまま順調にいけば、憲政史上最長の在任期間も視野に入るという安倍首相である。「動いている感覚」は、政権がつづいている間は有効であろうが、幕引きを迎えた瞬間にその事績が問われることになる。

韓国への「毅然とした対応」や、現実には普天間基地の返還につながるのかも定かではない辺野古新基地の建設、そして営々と維持されてきた「四島返還」を「二島」に切り下げただけに終わりかねない対露交渉などが業績というのでは、あまりに寂しい。

安倍首相は民主党政権を非難するのが十八番になっているが、民主党政権は三人の首相をあわせて3年あまり、それに対して安倍首相は第二次政権だけで7年近い時間を手にしてきたわけである。「安倍外交」はその名に値する足跡を残すことができるのか。その真価が問われる局面はすでに到来している。