山本太郎が語る「無年金の氷河期世代を救わなければ、未来はない」

厚労省は、まるで「他人事」だが…
時任 兼作 プロフィール

他人事では済まされない

腑に落ちない山本氏は追加質問も行った。現在、どのくらいの人が、どの程度の額の年金をもらっているのか確認したのである。すると――。

最初に返ってきたのは、厚生年金支給者も含めた全体像だった。そこで、いま一度、国民年金に限って資料請求をすると、月額5万円、年額にして60万円という数字が戻ってきたという。

 

「まるで他人事のような対応がそもそも大いに疑問ですが、それ以上に、月額5万円でどう暮らせと言うのでしょうか。しかも、この5万円をもらうには、30年以上も保険料を払わなければなりません。就職氷河期のひとたちが、これほどの長期間、払えるものなのでしょうか。

なかには、アルバイトや非正規雇用で生計を立てていたり、そこから正社員になれずスキルアップもできず、という人も少なくない。結婚して家族をもつ、家や車を買う、そうしたことを望むことさえ贅沢すぎる、と言う境遇の方も少なからずいるんですよ」

と、山本氏は憤る。

「実際は、生活できないような低額受給者がこれから、数多く出てくるでしょう。所得保障を柔軟に考えて、将来に備えなければならない。

例えば、年金制度に替わるものとしては、生活保護ではなく、『生活保障制度』を作るということを私は提案したいと思っています。高齢者限定ではなく、全世代において使える制度です。

生活保護のように利用のハードルを高く設定せずに、生活扶助や住宅扶助、医療扶助など、それぞれ個別に必要な状況に合わせて柔軟に組み合わせて対応できるような仕組みです。

生活費はあるが、住居費は厳しい。であれば、住居費(家賃補助)を支給する、といった具合に、自分が助けてほしい部分をアシストしてもらえるシステムのほうが、本格的な生活困窮に陥ることなく、人間の尊厳を守れる消費や生活ができるのではないでしょうか」

現状の平均受給額が月額5万円という国民年金。だが、就職氷河期の人たちはこの水準にも達しない恐れがある。こうした実態を正しく把握し、新しい仕組みを模索する時期が来ている。