寿命を縮める「サウナの禁じ手」10、お風呂研究家が教えます

過激な入り方をしている人は要注意
早坂 信哉 プロフィール

「高温サウナ」にはこう入るべし

(4)湯船に入らず、すぐサウナに入る
(5)最初からサウナの上段に座る

60度程度以下の比較的低温のサウナであれば、体への負担は少ないですが、100度前後のかなり熱いサウナであれば、その温度が体に大きな刺激となります。「少しずつ体を熱い環境にならす」ことが安全な入浴の基本的な方法。こうすることで血圧の大きな変動を防ぐことができます。

低温サウナであれば、温水シャワーで体を洗い流し、水滴を拭き取った後すぐにサウナに入浴しても問題ありません。ですが、100度近い高温のサウナの場合、シャワーで体を流した後、一旦湯船に2〜3分入浴をして、体を温熱環境に慣らしてからサウナに入浴するほうが安全です。またサウナに入る時は、同様にタオルで体の水滴を拭ってから入るといいでしょう。

また、サウナに入っても、すぐに温度の高い上の段には座らず、最初は温度の低い、下の段に座るようにして徐々に高い段へ移る。こうすることで、比較的安全に体を熱い環境に慣らすことができます。

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(6)我慢して長時間サウナに入る

 サウナを上手に利用する最も大事なコツは、「無理をしない、欲張らない」ということに尽きます。最近は SNS などで自らのサウナ入浴法などを発信している事例も散見されますが、それが医学的に万人が安全に入浴できる方法とは限りません。

時に、強い刺激を求めるがあまり、かなり過激な入浴法を勧めているサイトなどもありますが、サウナとは気持ちが良いものであって、苦痛を伴う修行のようなものではありません。自分が快適だと思う方法で入るのが一番です。

サウナで同席した見知らぬ人と我慢大会をするような光景もよく目にしますが、サウナの適切な温度や入浴時間は人によっても異なるので、これも危険な入り方と言えるでしょう。

サウナの適切な入浴時間は、100度の高温サウナであれば連続して長くて5分以内、40〜50度のミストサウナであれば10分以内が適当だと考えられます。 これはひとつの目安ですが、発汗してきた、または心臓がドキドキしてきた場合は、十分なサウナの温熱効果があるとして、いったん躊躇なくサウナから出ましょう。汗を流しながら我慢するのは、熱中症の原因となります。

よく勘違いしている話として、汗をかけばかくほど体から「悪いもの」が排出されるという考え方。いわゆるデトックス効果についてですが、 実は汗にはほとんど老廃物や有害物質は含まれていません。これは汗を分析して研究した実験から報告されている事実で、ヒトの体の老廃物のほとんどは糞便や尿によって排泄されることが明らかとなっています。

汗が出たということは、あくまで十分に体の体温が上がってきた、すなわち血流が良くなってきたということのサインだと心得ましょう。

 

ちなみに、サウナの健康効果として挙げられるのが、温熱による血管拡張による血流の改善効果です。人間の体は約40兆個の細胞で成り立っていますが、 これら多数の細胞ひとつひとつに必要な栄養分や酸素を届けているのが血液です。また、この細胞から排出された老廃物や二酸化炭素を回収するのも血液です。

つまり血液の流れはまさに人間にとってはライフライン、命を成り立たせる大事な機能。サウナの温熱効果は、この血流を改善することによって全身に必要な栄養、酸素を運び、疲労を回復させ、様々な疾病を防いでくれるのです。