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中国・アリババの「最先端会議」に出てわかった、そのヤバすぎる実力

日本の大企業トップが次々に明かした
田中 道昭 プロフィール

スピード感が違いすぎる

もう一つ、UHA味覚糖の話で筆者が驚かされたことがある。

山田社長がLSTについて知ったのは、今年2月に開かれたアリババのカンファレンスにおいてだったそうだ。それからすぐにアリババジャパンからメールが届き、UHA味覚糖大阪本社に香山社長がやってきたという。3月13日には上海オフィスで事業合意。そしてLSTでの販売がスタートしたのは4月1日だった。合意からわずか19日。このスピードがアリババの真骨頂だろう。

中国に赴任して3年となるという資生堂の中国地域CEO、藤原憲太郎執行役は、中国の変化のスピードをこう表現した。

「私が赴任したこの3年間でも大きく変化したのが中国市場。3年前に策定した戦略はもう意味がない」

 

藤原氏は経済成長のスピードが世代間のギャップを生み、また続々と消費を楽しむ人が増え続けている中国を冷静に見据えていた。そんな中国はやがて「多様な価値観が複雑に絡み合うマーケットになる」と語り、アリババが蓄積し続けるビッグデータを踏まえて「プラットフォームとそのデータを活用し、いかにイノベーションを起こすかが大事だ」と語ったのは印象深かった。

このカンファレンスでダニエル・チャンCEOは、18年度のニューリテール事業の流通総額が約97兆円に達したと発表した。利用者は中国市場が6.5億人、中国国外の市場で1.2億人だったという。6.5億人規模の市場を持つ東南アジアへの進出も加速している。

こうしてアリババは世界にアリババ経済圏を張り巡らせようとしているのだが、その特徴はやはりLSTに代表されるように地域の小規模店舗との共存共栄を図っていることといえるだろう。

日本のパパママショップがどのような末路をたどったかは、読者諸兄姉はよくご存知だろう。大型店舗の進出を招いては、地域のパパママショップは壊滅し、商店街はシャッター通りと化した