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中国・アリババの「最先端会議」に出てわかった、そのヤバすぎる実力

日本の大企業トップが次々に明かした
田中 道昭 プロフィール

売上高「5倍超」の衝撃

このLSTの利用を始めて、一気に成長軌道に乗ったのがUHA味覚糖だ。同社の山田泰正社長はLSTに参入した理由をこう語っていた。

「配荷ができるまとまった店舗数があること。またVMD、つまりビジュアル的にわかりやすいマーチャン・ダイジング(販売管理)に優れていたこと。さらに顧客への具体的なプロモーションがあったこと。これがLSTを利用する決め手となった」

自社商品を売り込んでいける130万以上のまとまった店舗があることは、UHA味覚糖の販売網を一気に拡大させた。同社が商品を卸していた中国の店舗は昨年までは1000店舗に過ぎなかったが、LSTの利用を始めた4月以降になんと一気に4000店舗との取引が実現できたのだ。さらに来年には1万3000店舗に商品を配荷する計画だという。

 

山田社長はLSTで取引が始まった蘇州の小売り店舗を視察に出向いたという。

「実際に蘇州の配荷店舗を見に行くと、我々ではとうてい探し当てられそうもない路地裏にあった。ところがここが日常的に周辺住民が集まってくる店だったのです。我々だけではこんな店舗まで配荷することはできないし、それ以前にこんな小さなパパママショップまで商談を持ち掛けようとは思わなかった。そこまで自分たちだけではやってられへんわと、こう思いました」

山田社長は「私は上海経済圏の売り上げを、ほとんど取りつくしたと思い上がっていた。実際には半分も取っていなかったんとちゃうんか」とLSTの流通網に舌を巻いていた。

しかも同社の商品が、顧客の目に入りやすく、手に取りやすい位置に陳列されるよう指導されていたというから驚きだ。

また実験的に行った販促企画でも、驚くべき結果が出たという。

「中国人に知名度の低い我々の商品の販促をどうするか。これまでならテレビCMを打ちたくなるところですが、アリババさんはユーザーに対して効果的な販促を展開してくれました。オンラインを使ったクーポンの配布です。しかもターゲットが見事に絞られていて、このクーポン、3日間でなんと1万人以上が使ってくれました」

高額のテレビCMを打つより、はるかに安くはるかに効果的な販促を山田社長は見せつけられたというのだ。

結果、LSTは驚くべき数字をUHA味覚糖にもたらした。

4月の売上は前年同月比425%を記録、5月には500%を超え、さらに6月に577%に達した。山田社長は「天井が見えない」と困惑気味に語るが、2020年には18年比で約2倍となる売上100億円の目標を掲げるに至っている。この数字すらもおそらくは通過点に過ぎないのではないか。