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中国・アリババの「最先端会議」に出てわかった、そのヤバすぎる実力

日本の大企業トップが次々に明かした
田中 道昭 プロフィール

農村の小さなパパママショップまで網羅する「凄み」

石川社長が今回強調していたのは、一見すると競合状態にあると思われがちなECと実店舗のカニバル(共食い)は、起こりえないということだった。

「オンラインで獲得したお客をオフライン、つまりリアル店舗に誘導することもできる。百貨店、スーパーなどのリアル店舗は、これまでオンラインに収益を奪われるという考え方だった。しかし、この考え方はもう古い

実際に、ストライプの中国事業(ストライプチャイナ)の19年の売上高は天猫の旗艦店で昨年比200%増、実店舗で150%増を記録しているとのことだった。

そもそもリアル店舗とEC店舗が売り上げを食い合わないのは、「OMO(オンライン・マージ・オフライン)」という考え方にもとづく。たとえばリアル店舗で購入したものはスマホで簡単に決済され、さらにそれが家庭にまで配送される。逆にオンラインで発信される情報がリアル店舗に顧客を誘導することにもつながる。

店舗に来ることができない消費者も、店舗で買い物を楽しめる消費者も、相互に利便性と趣向性を向上させるというのが「OMO」の考え方であり、これこそが最先端の小売り業の姿なのだ。

石川社長はこうも発言した。

「こうしたOMOが日本でできるようになれば、すぐにはじめたい」

 

次に登壇したのは、ライオンの掬川正純社長だ。

「これまで我々がリーチできていたのは、中国の人口の15%ほど。しかしこれからは地方都市、農村部も含めて85%にリーチしていく」

こうした発言が掬川社長から出るのは、もちろん勝算があるからだ。ライオンはこの6月、アリババの「LST(Ling Shou Tong)」というプラットフォームで販売を始めた。LSTとは消費財メーカーと、地方都市、農村部までのパパママショップ、つまり家族経営の小規模店舗とをつなげるBtoBプラットフォームである。

約8億人が住む地方都市の中小130万店舗以上を束ねるプラットフォームであり、これを利用する商材メーカーは、販路拡大が容易に可能となる。さらにアリババの持つビッグデータを活用して、効果的な流通、在庫管理が可能で、販促までアリババがやってくれるというのだ。

「最終的に130万ストアのパパママショップに商品を送り続ける。これが我々の目標」
「アリババに貢献しながら、一気にビジネスを拡大していく」

掬川社長はこう語った。