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ドイツは一体いつから「一夫多妻OKの国」になったのか

法相が取った衝撃的な行動とは

中東難民の大問題

ドイツには、2015年秋より2016年末まで1年余りのあいだに、200万近い中東難民が入った。そのうち、難民申請が認められ、正式に滞在許可を得た人たちには、家族を呼ぶ権利が生じる。難民が妻帯者なら妻や子供に、また未成年者なら両親や未成年の兄弟にドイツでの滞在許可が付与され、一緒に暮らせるようになる。

ただ、当時、あまりに難民の数が多かったので、新規の家族の呼び寄せは一時的に停止されていた。その制限がようやく2018年の8月に解除され、家族へのビザの給付が、月に1000人という上限を設けて再び始まったのである。

ただ、問題は、中東の男性は、妻が一人だけでない場合があることだ。当然のことながら、ドイツでは一夫多妻は刑法に触れる。なのに、多くの自治体では面倒なことに触れたくないらしく、中東難民が複数の妻を連れてきても、これまでそれを黙認していたらしい。

当コラムでも一度取り上げたが、2018年2月、ドイツの大手ニュース週刊誌シュピーゲルのオンラインTVで、2人の妻と6人の子供(当時は7人目もお腹にいた)とともに、ハンブルクの郊外の一軒家で幸せに暮らしているシリア難民の様子が紹介され、ドイツ人は仰天した。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55554

夫は無職だったが、「子供は10人でも、20人でも欲しい。3人目の妻はドイツ人でもいい」と、片言のドイツ語で朗らかに語っていた。家賃や生活費は自治体が支払っていた。

 

ちなみに、現在のドイツの子供手当は、2人目までは、子供一人につき月々204ユーロ(約2万6500円)、3人目から5人目まではそれぞれ210ユーロ(約2万7000円)、6人目からは235ユーロ(約3万円)だ。つまり、子供が7人いれば、それだけで月々1508ユーロ(19万6000円)が貰えることになる。

さらに強烈だったのは、今年の5月のBild紙(大衆紙・ドイツで部数が一番多い)。やはりシリア難民の夫が、3人の妻と12人の子供と写真に収まり(実際には子供は13人おり、もうすぐ14人目の子供が生まれる)、「ドイツに帰化できれば嬉しい」と語っていた。

つまり、こちらは滞在許可ではなく、すでに帰化の話だ。しかし、どう考えても、複数の妻を持つ人間がドイツ国籍を取得できるはずはない。

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