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# 日本経済

高齢者と若者、日本経済の「分断化」はすでにここまで進んでいた

消費増税でこの傾向はますます激化する

景気悪化は「織り込み済み」

参院選もいよいよ終盤戦に入った。各種世論調査では与党が優勢のようだ。「消費増税を断行して選挙で勝った政権与党はない」というような話がまことしやかに流れていたが、ここまでのところ消費増税についての有権者の関心は意外と薄く、選挙戦の争点にはなっていない模様である。

もっとも消費税率の引き上げは10月からであり、実際に経済に対する影響は出ていないため、それに対する不満も表面化していないのだろう。

「経済学」的に考えれば、すでに10月からの消費増税は決まっているので、「合理的な」家計であれば、来るべき増税に備え、すでに節約志向を強め、消費は減速していてもよいはずである。だが、過去の消費増税の時もそうであったが、家計が来るべき消費増税を事前に織り込んだ行動をとっている感じはしない。

むしろ、過去においては、直前の駆け込み需要の反動による消費減を別にすれば、消費へのマイナスの影響は遅れて出てきたように思われる。

 

例えば、消費が抑制されると平均消費性向(可処分所得に占める消費支出の比率)が低下する傾向があるが、過去3回の消費増税の際には、多少のタイムラグを伴って低下している(図表1)。

したがって、過去の消費増税のパターンを踏襲するとすれば、ここに来てようやく前回の消費増税前の水準に戻りつつある消費は、消費増税実施直後から急激に落ち込むというよりも、来年初めあたりから緩やかに再び減速していくというのがベースライン・シナリオであると考えられる。

しかも、今回は、プレミアム付き商品券やポイント還元などの対策が講じられている。また状況次第では、追加の景気対策の可能性もある。さらには、時期はわからないが、ひょっとすると携帯電話の通信料の値下げがあるかもしれない。

参院選の結果次第では、10月の消費増税後に大幅な財政出動に転じる可能性もあるので、実際のところはあまり過度に消費増税の影響をネガティブに捉えるべきではないかもしれない。

安倍首相の「(在任期間中は)さらなる消費増税はない」との発言は、好意的にとらえるならば、「これ以上の増税で景気を悪化させない」という決意表明なのかもしれない。

したがって、どの程度の規模になるかという問題はあるが、参院選後は政府与党の経済政策スタンスの変化にも注意しておく必要があろう。経済予想という側面では、消費増税で景気が悪化するというのはすでに「織り込み済み」であり、むしろ、「ポジティブ方向(予想外に消費が減速しない)」のリスクも考慮すべきなのかもしれない。

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