毎日食べてもおいしいうどんやパスタ、味の「秘密」を科学してみた

麺の秘密は「小麦の性質」にあり!
山田 昌治 プロフィール

小麦という植物の起源は中近東の高原の砂漠地帯です。そこに自生していた植物を人類が改良して、ヨーロッパやインド、中国、さらにはアメリカ大陸、オーストラリアに広がっていきました。その進化・伝播の歴史をたどることで、小麦が麺やパンに適した穀物である理由についてわかるようになります。

麦の進化の歴史に麺の歴史あり Photo by gettyimages
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また、蕎麦という植物、それがどのように蕎麦粉になるのかは知っておきたいところです。最近はやりの米粉も麺用の原料です。日本人にとって最もなじみのある穀物である米、その粉砕物である米粉も非常に多くの種類があることに驚かれるでしょう。

また、麺の食感を変えることを目的として、片栗粉やタピオカなどのデンプン類が麺に加えられます。これらのデンプン類がどのように食感の改良に寄与するのかについてお話しします。

第2章では、おなじみのさまざまな麺について解説します。

デュラム小麦から作られるイタリアのパスタは、マカロニ、スパゲッティ、ラザニアなどさまざまな形状のものがあるばかりではなく、スパゲッティ一つとっても、さまざまな太さ、断面形状のものがあることをご紹介します。中国が起源の中華麺は日本に渡って驚くほど進化をしました。中華麺に添加されるかん水とは何か、かん水添加によって麺にどのような変化が起こるのかについてお話しします。

パスタには、多種多様な種類がある Photo by gettyimages
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わが国では、うどんをはじめとして、冷や麦、素麺などさまざまな太さ、断面形状の麺があります。日本蕎麦も日本の麺文化になくてはならないものです。また、米の産地である中国から東南アジアにかけては、多様なライスヌードル文化があることを紹介します。

第3章では、麺の栄養学的な側面についてお話しします。

糖質、脂質、タンパク質、および微量栄養素が穀物ごとにどういう特徴があるのかを解説し、その特徴からどのような食べ方がよいのかについていくつかの提案をします。

第4章では、筆者がテレビなどでご紹介している、麺をおいしくする裏技のお話をします。いずれもご家庭で簡単にできる技ですので、本書を読んだらさっそくお試しください。

第4章でいろいろな技をご紹介しますが、そこに至るまでは多くの試行錯誤がありました。そこで、第5章では「うまくいかなかったこと」をまとめました。「麺の科学NG集」と題してご笑覧いただきたいと考えております。

日本全国津々浦々、その地独自の「うどん」あり

筆者の若い頃の話で恐縮ですが、青雲の志を持って初めて訪れた京都の地で、たまたま入ったうどん店で食べたうどんに驚きました。

手打ちうどんだというその麺は美しいクリーム色で、食感は硬すぎず軟らかすぎず、のど越しが実に滑らかだったのを覚えています。その頃はわかりませんでしたが、おそらく豪州産の灰分の少ない上等な小麦粉を使っていたものと思われます。