# 政治・社会

パキスタンで腎臓移植手術を受けた日本人の悲劇

臓器移植の闇を追って・その1
高橋 幸春

ロシアドメインのアドレスに最初に送ったメールの内容は、以下の女性が腎臓移植を希望しているといったものだ。

「移植希望者 女性、年齢は50歳、血液型A。

輸血の経験はなし。出産歴なし。

B型肝炎、C型肝炎 既往歴なし。がんの既往歴なし。その他大きな疾病の既往歴なし。

糖尿病から透析治療を受けるようになって4年。

 

現在、糖尿病は十分にコントロールされている。HLAのタイピングはすでにすませて、すぐにでも送付できる状態にある」

返信はすぐにあった。

それには移植費用は5万7000ドルで、この「基本料金」の中には、生体腎の費用も含まれていると明記され、空港から病院までの送迎、検査、診察、手術、入院費、免疫抑制剤10日分など、13項目にわたってその内訳が記されていた。

日本からパキスタンに渡り、実際に移植を受けた患者がいるのかを私は尋ねた。「すでに 7人の患者が移植を受けている」と返信があった。

5ヵ月前にパキスタンの病院で移植を受けた日本人患者の映像までが送られてきた。その映像には、手術後3日目、尿袋を手に持ち部屋を1周する患者の姿が映されていた。患者は東洋人のようだが、日本人であるかどうかまでは確認のしようがない。

渡航移植を希望する患者はこうした映像を見せられて、パキスタンで移植を受けているのかもしれない。

移植費用は15万ドル

移植を希望する女性患者が、パキスタンで移植手術を受けたレシピエントと直接に話をしたがっている――というメールをさらに送信してみた。

その返信メールには、日本側の窓口となっている渡航移植の斡旋組織のサイトとその代表者名が記されていた。

そのホームページには「中国、フィリピン、ベトナム、カンボジア、インドネシア、インド、イラン、スリランカ等で400人以上の内外の患者をサポート」と記載されている。パキスタンは新たな渡航移植先のようだ。

「最も料金が安く移植手術」が可能で、腎臓の移植費用は、「15万ドル」となっていた。