# 医療

7割の病院がじつは赤字!「瀕死の医療機関」を救う新しい稼ぎ方

厳しい環境を生き抜く「戦略」とは
鈴木 尚之 プロフィール

事例2:病院Bのケース

病院Bは病床数100床の内科、消化器内科、脳外科、リハビリテーション科のケアミックス病院です。ベッドの利用率が80%(100%で満床となります)の状況が続いており、利用率を上げる施策として、近隣の介護老人保健施設(在宅介護保険が適用される介護サービスで、在宅への復帰を目標に心身の機能回復訓練をする施設)を買収し、施設への入居者の受け入れだけでなく、デイケア(通所リハビリテーション)を開始しました。

今、病院を利用する必要がないけれども今後患者となりうる高齢者に、デイケアを利用してもらえるよう、積極的にマーケティング・営業活動を実施。近隣の高齢者にとって、いつも利用しているデイケアを運営している病院として認識し安心してもらうことで、結果的に病院への集患に繋がり、2年間でベッドの利用率を80%から98%に上げることに成功しました。

 

今回ご紹介した例は、「住宅」や「介護施設」の立ち上げの事例でしたが、他にも「介護タクシー」など高齢者と顔を見ながらコミュニケーションがとれるサービスを始めるケースや、地元企業や医療機関との繋がりを厚くするために「人材紹介事業」を始めた病院や調剤薬局もあります。

今後は病院も一般企業のように戦略を立て時代に応じて変化していくことが、病院経営の肝となるでしょう。病院が医療行為だけを行う時代は終わるのかもしれません。

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5年前、私は医療・介護・福祉業界の経営支援を行う株式会社CBホールディングスの社長に就かせていただきました。当時、会社は赤字の状況にあり、前職でお世話になった先輩や周囲の知人から、「赤字経営では企業としての社会的な責任を果たしていない」と、かなり厳しく指摘されました。社長就任後は、今一度会社の本質を見直し、抜本的な経営改革を行い、1年で黒字化、今では安定して収益を確保できる企業に立て直すことができました。

これまでの考え方や仕組みを変えることには、大きな抵抗や摩擦を伴います。しかし、急激に変化するこれからの時代、医業経営に置いても、それぞれの施設は自らの強みや本質を今一度、見直す時期に来ているのではないかと考えています。

今のような変化の速い時代には、現状で立ち止まることの方が、よほどリスクが高く、変化し続けることで、今後、医療・介護を地域に存続させられる時代が、医業経営の世界にも訪れているのではないか、と私は思います。