「大復活」天才・石川遼と、ライバル・松山英樹の知られざる物語

まだ勝負はこれから
週刊現代 プロフィール

ゴルフスイングコンサルタントの吉田洋一郎氏は「石川こそ、まごうことなき天才だ」と語る。

「メジャーのコーチたちも、動きの滑らかさだったり、スイングのバランスやボールの操り方といった、石川の身のこなしの部分を極めて高く評価しています。

以前、タイガー・ウッズのパッティングコーチをしていたマリウス・フィルマルターは、『リョウは、並の人間がいくら練習をしても培うことのできない天性のセンスを持っている』と太鼓判を押していました」

いっぽう、練習の様子や自身の考えをメディアの前で常に明かしてきた石川とは違って、寡黙な松山は練習の様子を決して語ろうとはしない。

 

「一度だけ、松山が筋力トレーニングをしている映像を見たことがありますが、本当に鬼気迫るような表情を浮かべていました。

身近にあったクラブを握って振り始めて、気づいたら4時間経っていたなんてこともある。彼の練習量は想像を絶するものがあります。

実際、彼の座右の銘は〈才能は有限、努力は無限〉。中学時代から石川のような天才を目の当たりにする環境に身をおいてきたからこそ、松山は気が遠くなるような努力を積み重ねてきたのでしょう」(ゴルフ協会関係者)

腰に爆弾を抱えて

圧倒的な練習量で追い上げる松山とは対象的に、アメリカに渡ったころから石川のゴルフ人生に暗雲が立ち込め始める。

PGAツアーでは、予選突破さえままならない状況が続いた。

原因の一つは、ドライバーの飛距離が通用しなかったことにある。飛ばし屋がひしめくメジャーでは、175㎝と決して大柄ではない石川の飛距離はすっかり埋没してしまった。

もう一つ追い打ちをかけたのが、日本時代から痛めていた腰の状態の悪化だった。

「アメリカに行く時点で石川はすでに医師やトレーナーにかかりっきりになっていました。それでも向こうの選手に飛距離で追いつこうと無理なフォーム改造やトレーニングを重ねた。

その結果、腰の状態は取り返しのつかないくらい悪化してしまった。一時はパターの練習さえままならないほどの痛みを抱えていたのです」(ゴルフ雑誌記者)

'16年には、石川の腰は「椎間板ヘルニアの一歩手前」の状態にまで陥り、選手生命の危機さえ取り沙汰された。選手としてあまりに早熟だったがゆえに、中学生時代から身体を酷使してきたツケが、ここにきて一気に回ってきた格好だ。