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# 金融 # 経済 # 人工知能

元経済ヤクザが案内「金融ダークサイド」最前線

マネロンからAI、仮想通貨まで
7月25日から発売される猫組長(菅原潮)『金融ダークサイド:元経済ヤクザが明かす「マネーと暴力」の新世界』。本日はそれに先立って、本の「はじめに」を特別公開。AIとの仁義なき投資戦争、来たるべき仮想通貨2.0……日々変容を遂げる金融市場の最前線は、マネーの「ウラ」側からの視点がなければ読み解けない!

金融の新世界へ

現在、株式市場では人が作り出した「人工知能」(AI)が神のごとくに振る舞おうとしていることをご存じだろうか。

AIアルゴリズムは、企業や政府が自発的に発表する統計データなど伝統的データとは異なる、「オルタナティブ(非伝統的な)データ」を自動収集して銘柄を選出する。AIの創造主である「ヒト」自身が、その選出した理由を理解できないことさえあるというから、その決定はもはや神託に近いと言えよう。

これまでの「カン」を頼りにした「ヒト」による投資活動は生息域を狭められ、最先端の金融の現場にはAIを管理するエンジニアが増えている。このように「マネー」の世界から、「ヒト」そのものが駆逐されようとしている現実こそ、やがて訪れる実社会の縮図と言えるだろう。

「ヒト」であろうとする私は、その神との戦いを演じている。

 

また、投機対象として注目された「クリプト・カレンシー」(暗号通貨=仮想通貨)に対する規制が、今年(2019年)6月のG20財務相・中央銀行総裁会議で合意された。国境などおかまいなしに資金移転を可能にしていた「ビットコイン」に代表されるこれまでの投機対象としての「仮想通貨」は、この規制により縮小していくだろう。

6月20日にはFacebookが、独自の仮想通貨「リブラ」を使った金融サービスを来年開始すると発表した。潜在利用者数27億人の新経済圏実現への賛否を巡って、世界が二分している状態だ。

いずれにしても、代わって登場するのは、国家が発行する「ソブリン・クリプト・カレンシー」だ。それは、フィンテック(金融技術)による「仮想通貨2.0」という新世界の始まりに他ならない。

続々と生み出される新たな金融環境によって、世界がどこに向かうのかは「予測」することしかできない。不透明な時代を生き抜くために必要なのは、「マネー」に対する認識を多角的に深化させることだ。

多層的な視点獲得の方法として提案するのが、オモテからだけではなくウラ側から見るマネーの実像だ。本書の目的もそこにある。