「乙武義足プロジェクト」が進行している。乙武氏は身体の三重苦と闘いながら歩行練習を続け、エンジニア、義肢装具士、理学療法士などのプロフェッショナルたちがそれを支えている。
2018年11月13日、超福祉展にて義足プロジェクトが発表されると、テレビなどのメディアが大きく取り上げた。その中の一つに、松本人志が出演する『ワイドナショー』(フジテレビ)があった。収録の行われたスタジオで乙武氏がまっちゃんからもらった宝物とは……。乙武氏がリポートする。
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超福祉展3日後のフジテレビ
11月16日の昼下がり、私はマネジャーの北村が運転する車で、台場のフジテレビに向かっていた。それは、超福祉展の3日後のことだった。
この日『ワイドナショー』に出演することは、だいぶ前から決まっていた。ちょうど超福祉展と同じ週というタイミングになったことで、番組後半で義足プロジェクトの特集を組んでいただけることとなった。
義足プロジェクトのパートの収録は、平成最後の紅白歌合戦や大谷翔平選手のメジャーリーグ新人賞受賞などの話題で盛りあがったあと、いちばん最後に組まれていた。
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「うわあ、立ってる」
自宅で練習をする姿を見て、MCの東野幸治氏がつぶやいた。
「トレーニングはハードですか?」
佐々木恭子アナから尋ねられる。
「義足はみなさんの足とおなじくらいの重さですが、太腿までしか足のない私にとっては、履くだけで筋トレ状態なんですよ」
私の説明を聞いた松本人志氏が興味を示してくれた。
「でも、乙武さんまだ若いから、技術も肉体も、この先まだまだ進歩していくんじゃないですか。小走りくらいいけたらすごいですけどね」