フランスの「育休充実化」政策がもたらした、予想外の「負の側面」

女性の就業率はむしろ下がった
山口 慎太郎 プロフィール

分析の結果、明らかになったのは、現在の1年間の育休を3年に延長しても、女性の就業はほとんど増えないということだ。育休があっても働かないと十分な収入を得られないし、無認可も含めれば保育所などを利用して働くことは可能であるため、3年もの長期に渡って育休を取りたいという女性はあまりいないためだ。

拙著『「家族の幸せ」の経済学』(光文社新書)では、この試算について詳しく説明しているほか、ドイツ、カナダ、ノルウェーなどフランス以外の様々な国々での育休改革の経験を紹介し、働く親と子供にとっての影響を解説している。

そして、最近は大きな話題となっている男性の育児休業についても「イクメンの経済学」として1章を割いている。なぜ男性は育休を取らないのか、どうすれば取るようになるのか、そして、男性が育休を取ると家族にはどんな影響があるのかといった疑問に対し、最新の経済学研究から得られた知見を紹介している。

 

この他にも、「保育園は、母親の「幸福度」を高める」、「保育園は、子どもの「攻撃性」を減少させる」、「母乳育児の「知能」「肥満」への効果はない」、「日本の低出生体重児の数は世界3位」といった科学的研究の成果をもとに、結婚、出産、子育てにまつわる事柄について、家族がより幸せになるためのヒントを紹介している。

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*1. Canaan, S. Parental Leave, Intra-Household Specialization and Children’s Well-Being. IZA Discuss. Pap. (2019).
*2. Yamaguchi, S. Dynamic Effects of Parental Leave Policy on Female Labor Market Outcomes. Quant. Econom. (2019). doi:10.2139/ssrn.2498212