国民皆保険制度は崩壊の危機。理由は「高齢化」だけではない

“健康格差”はすでに始まっている

心配なのは年金だけじゃない

「老後資金として2000万円必要」

そう記された金融庁の報告書が大きな問題となった。おそらくは少なからぬ人々が、老後にそのくらいは、あるいはもっと必要であることを気がついてはいただろうが、国があらためてそのことを発表したことが衝撃をもって受け止められている。また、明日7月21日には参議院選挙があり、社会保障は各党の主要な争点となっている。

将来が懸念されるのは、年金だけではない。「だれもが平等に医療を受けられる制度」として、この国の健康や長寿化にも寄与してきた国民皆保険制度も危機に瀕し、医療に関しても先行きは不透明だ。

 

1961年に全国の自治体で達成され、長らく日本の医療を支え続けた国民皆保険制度。日本ではこれまで、どんな疾患に関しても、すべて公的な医療保険でカバーされてきた。義務教育就学後〜70歳では、医療費は3割負担であり(義務教育就学前は基本的には2割、70歳以降は所得及び年齢により1割〜3割)、例えば、医療機関に風邪でかかっても(風邪は基本、市販薬で休養すれば十分なので受診する必要はないと筆者は考えるが)、数百円の支払いですむ。

公的医療保険のカバー範囲が少なく自由診療を基本とするアメリカでは、破産の原因第1位が医療費によるものだが、日本では国民皆保険のため、医療費による破算は社会問題とはなっていない。

しかし近年、国民皆保険制度の危機が叫ばれている。原因は、医療費の急激な増加だ。