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何かの予兆? 首都圏の新築マンションが、パッタリ売れなくなった

バブル崩壊直後の水準に逆戻り

土地価格は少なくとも東京五輪まで上がる――。そう信じて都心にマンションを買った人たちが、いま痛い目を見ている。開発されつくした首都圏に建つ、大量の売れ残りマンションはどうなるのか。

どう考えても作りすぎ

「うちも含めて、大手デベロッパーはみんな焦ってますよ。都心の新築マンションがまったく売れないんです。マンションは第1期の売り出しで、最低でも半分が即日で成約しなければ全室売り切れないと言われています。

アベノミクスがはじまったころは即日完売が当たり前だったのに、今は1期あたりの売り出し戸数を5分の1にして、『第1期即日完売』と無理やりアピールしています。売れている雰囲気を作るのに必死ですよ」(大手デベロッパー社員)

不動産価格は伸び続ける。居住用でも投資用でも、今買っておいて損はない。こんな商売文句で客を口説いていたデベロッパーが、揃って頭を抱えている。

6月17日に不動産経済研究所が発表した「首都圏のマンション市場動向」は、高止まりの続く不動産市場が完全な「曲がり角」にさしかかったことを示した。

東京23区における今年5月の新築マンション発売戸数は781戸で、前年同月と比べて36.3%も減少したのだ(契約率は65.8%で同3.9%減)。

ちなみに、首都圏で4月に発売された新築マンションは1421戸で、4月に1500戸を割り込んだのは27年ぶり。バブル崩壊直後の'92年並みの水準に逆戻りした。

 

アベノミクスが始まった'13年から、マンションは建てれば即日完売という状況が続いた。ところが今年5月、首都圏で即日完売となった新築マンションはわずか5棟22戸にとどまっている。

マンションが売れなくなった。原因は明確だ。近年の好景気ムードに押されて、あまりにもマンションを建てすぎてしまったのだ。

「特に顕著なのがタワーマンションです。超高層なら猫も杓子も売れていた時期がありましたが、今は竣工から5年が経過しても売れ残るケースが増えています。

たとえばゴールドクレストが建てた『勝どきビュータワー』は、2010年竣工にもかかわらず未入居物件の広告がいまだに出ています」(不動産ジャーナリストの山下和之氏)

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'19年5月時点での首都圏マンション完成在庫は3539戸にのぼる。アベノミクスが始まった'13年は1000戸台だったことを考えると、「作りすぎ感」が否めない。

供給過剰になれば、新築・中古問わずマンション在庫がダブつくのは当然だ。価格の頭打ちを迎え、割高でマンションを手にしてしまった住民たちは強く後悔している。