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野党も気がつかない、アベノミクスの「4つの間違い」にすべて答える

日本の景気がよくならない本当の理由

意図的に触れられていない「数字」

安倍晋三首相が今回の参議院選挙でも、アベノミクスによる6年半にもわたる経済成長の実績を強調しています。

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最近メディアを騒がせた金融庁の報告書問題にも絡めて、「強い経済をつくれば年金を増やすことができる。これからも強い経済を前に進めていきたい」と、経済を前面に押し出しています。しかし、果たしてこれを鵜呑みにしていいものでしょうか。

2014年の衆院選、2016年の参院選、2017年の衆院選を思い出してみましょう。

当時、安倍首相がアベノミクスを自画自賛し訴えていたことは、主に、(1)有効求人倍率が高水準であること、(2)平均賃金が上がったこと、(3)雇用を増やしたこと、(4)倒産件数が減ったこと、の4点でした。

しかし、国政選挙のたびに取り上げられるこれら4つの功績が、自らにとって都合のよい数字だけを並べているばかりか、もっと大事な内容や数字が意図的に触れられていないと知ったら、みなさんはどう思われるでしょうか。

もちろん、安倍首相は今回の参院戦でも、これら4点の実績を国民に訴えかけています。以下、一つずつ見ていきましょう。

 

まやかしの有効求人倍率

まずは(1)の「有効求人倍率が高水準であること」については、安倍首相は2014年の衆院選では「22年ぶりの高水準である」、2016年の参院選では「24年ぶりの高水準である」と殊のほか強く訴えていましたが、実際にはアベノミクスによって有効求人倍率が上昇したわけでは決してありません。

確かに、厚生労働省の統計調査によれば、有効求人倍率は安倍政権が誕生した2012年12月には0.83倍でしたが、2019年は平均(1月~5月)で1.63倍となり、1973年以来の高水準となっています。安倍首相は「経済が好調だから、人手不足になったのだ」と、その実績を強調してきましたが、実はこういった見解は、日本経済や日本社会の基本的な構造変化を故意に無視しているとしか考えられません。