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米国市場で「生活必需品銘柄」が値上がり、その事実が示す危うい未来

GAFAは勢いを失い…

7月10日、米国の株式取引時間の序盤、史上初めてS&P500株式指数が3000ポイントの大台を突破した。米中の通商摩擦やブレグジットの動向、イランと米国の関係の悪化など、世界経済の先行き不透明感は高まっているものの、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを示唆したことが市場参加者のリスクテイクを支え、株価が上昇している。

ただ、昨年4月から秋ごろの相場上昇と今回の株価上昇を比べると、内容はかなり違う。昨年は“GAFA”を中心とするIT先端企業の成長の勢いが株価上昇を支えた。今回は消費関連を中心に比較的収益が安定している銘柄が選好されている。“ディフェンシブ”な銘柄が買われるということは、米国経済の成長期待が徐々に低下している可能性がある。

 

勢いを失いつつあるGAFA株

近年の米国経済において“GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)”などのIT先端企業は、成長をけん引する象徴だった。これらの企業は従来にはなかった製品やサービスを生み出し、ヒットを実現した。それがより高速な通信やデータ利用の需要を生み、半導体市況のブームを支えた。IT銘柄が昨秋までの米国株価の上昇を支えた。

現在、米国のIT先端企業にかつての輝きは感じづらい。代表例がアップルだ。アップルは、私たちの生き方を劇的に変えた。iPhoneの登場は、世界にスマートフォンが普及する起爆剤となった。スマートフォンの普及とともに、SNSやモバイル決済などが生み出され、世界経済全体での成長が支えられた。

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すでに、世界のスマートフォン需要は飽和している。価格帯の高いiPhoneの販売台数は減少傾向にある。アップルはサービス事業での収益拡大を重視しているが、同社はiPhoneの販売増加とともに成長してきた企業だ。ハードの販売が伸び悩む中でサービス事業の成長を目指すことは難しい。成長には、新しいモノの創造が欠かせない。

加えて、アップルのビジネスモデルそのものも揺らいでいる。アップルは製品のデザインやテクノロジーの開発に注力した。中国にて同社はデバイスの組み立てを行い、高付加価値化を重視した。しかし、米中の摩擦への対応から、アップルは中国での生産を他国に分散している。これは、他の国の企業にとっても無視できない変化だ。

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