古代のファラオも現代人も魅了する「植物の香り」3000年の秘密

NOMAの「植物偏愛教室」

古代エジプト時代より現代まで宗教儀式や瞑想、香水などによく使用されることも理解できる。

ファラオの秘薬から「アロマテラピー」へ

宗教以外にも香油や消臭、秘薬としてなど、娯楽から医学まで、芳香植物はよく使用されていた。

紀元前13世紀、「世界最古の和平協定」を結んだラムセス(ラメセス)2世(その協定を記録した粘土板のレプリカが国際連合本部ビルに飾られている)。当時40歳くらいが平均年齢であったにもかかわらず、彼は90代まで生き、数々の伝説を残した。

ラムセス2世神殿の壁画ルーブル美術館で撮影したラムセス2世神殿の壁画 Photo by NOMA

王の中の王と言われた彼だが、いくつもの大業をなしたあと、ミイラとなった彼の身体には「安らぎの香り」とも言われるカミツレ(ローマンカモミール)油が塗布されていた。

ラムセス2世像エジプト南部、アブ・シンベル大神殿のラムセス2世像 Photo by Public Domain

こうした植物の使われ方は、いまもアロマテラピー(芳香療法)やフィトテラピー(植物療法)として世界中で取り入れられている。

植物の香り成分である精油を用い、香りを楽しみながら心身の全体にアプローチしていくホリスティックな自然療法だ。

古代エジプト時代から3000年以上の時が過ぎ、利便性や機能性が研ぎすまされた現代社会。私たちの生活は、とても速いスピードの中にある。

個々の環境や体質との相性もあるため、自身、そして精油についてよく知ることが前提とはなるが、ストレスが多くスピーディーな時代であるからこそ、私たちの大脳辺縁系にダイレクトにアプローチし、古からの叡智としても受け継がれてきた「植物の香りの力」が求められているのではないだろうか。

参考文献:
Lise Manniche『ファラオの秘薬 古代エジプト植物誌』(八坂書房)
日本アロマ環境協会「アロマテラピー検定 公式テキスト」ほかテキスト
「ルボア フィトテラピースクール」テキスト