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韓国への輸出規制は、安倍首相の巧妙な「政治判断」だった

見据えているのは「選挙」ではない

「もし日韓戦わば」

現在の日韓関係は「戦後最悪」と言われているが、かつても「もし日韓戦わば」との言葉がメディアを賑わしたことがあった(1993年に韓国で出版された金辰明著の『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』は100万部を超える大ベストセラーとなった)――。

7月10日、フジテレビ系FNNが独自に入手した韓国政府資料から、韓国がこれまでの4年間に戦略物資の東南アジア、中国、中東諸国などへ密輸出が156件あったと、報じた。スクープである。

 

韓国の産業通商資源省(日本の経済産業省に相当する)が同日夕、急きょ記者会見を行い、2015年から2019年3月までに不正輸出の摘発が156件に上ったことを認めた上で「我が国の戦略物資輸出管理制度が効果的かつ透明性をもって運用されている反証だ」と開き直った。

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事実に即して言えば、4日に日本政府が発動した半導体材料の対韓輸出規制の対象3品目(フッ化ポリイミド、フッ化水素=エッチングガス、レジスト=感光材)のフッ化水素が焦点となっているのだ。

韓国政府が「摘発」したとする不正輸出は、核兵器(ウラン濃縮)製造や化学兵器(サリン)の原料となる「フッ化水素酸」がアラブ首長国連邦(UAE)向けであり、やはり化学兵器(サリン)原料にもなる「フッ化ナトリウム」がイラン向けだったのである。

こうした「不正輸出」(密輸出)が、安倍晋三首相が7日午前のフジテレビ「日曜報道ザ・プライム」で語った「(対韓輸出規制を導入した理由について)不適切な事案が発生したからだ」と発言した根拠となったのである。中東経由で北朝鮮に渡った可能性を示唆したのだ。

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