いくらファーウェイを叩いても、中国は2040年「世界一の大国」になる

「歴史の正常化」が米中経済戦争の本質
野口 悠紀雄 プロフィール

中国は2040年、世界一の経済大国になる

以上で見たことの背景には、中国が基礎的な経済力を向上させていること、とくに科学技術が世界で最先端のものになりつつあることがある。

2010年頃まで、中国は、「安かろう悪かろう」の製品を大量の労働力で作る「貧困工場」の国だった。「メイドインチャイナ」は品質が悪いと、世界でも中国国内でも信じられていた。低賃金のため蟻のような生活を強いられる「蟻族」の話も伝えられた。

 

しかしいまや、中国の人々の基本的な能力が高まっているのだ。

私は、2004年にスタンフォード大学で「バーリンホウ」(80年代以降に誕生した人々)と呼ばれる世代の中国人留学生に会った。あまりに能力が高いので驚嘆したが、いまやそれらの人々が中国を動かしているのだ。

その結果はさまざまなところに現れている。

全米科学財団(National Science Foundation: NSF)が、世界の科学技術の動向をまとめた報告書Science and Engineering Indicators 2018によると、2016年の論文数世界ランキングで、第1位は中国だ。以下、アメリカ、インド、ドイツ、イギリス、日本の順になっている。

U.S. News & World Report 誌が、分野別の世界の大学ランキングを作成している。2019年版のコンピュータサイエンスの分野を見ると、世界1位は中国の精華大学だ。日本の第1位は東京大学だが、世界のランキングでは、135位だ。