photo by Getty images

いくらファーウェイを叩いても、中国は2040年「世界一の大国」になる

「歴史の正常化」が米中経済戦争の本質

米中経済戦争の根底には、中国が未来世界のヘゲモニーを握ることに対するアメリカの焦燥がある。ファーウェイに対するアメリカの一連の攻撃は、それを象徴している。しかし、中国の成長は「歴史の正常化」過程なのかもしれない。日本は、こうした動きにどのように対処すべきか?

 

ファーウェイ叩きが始まる

米中貿易戦争は、これまでは高率関税の掛け合いだった。ところが、今年の5月から、様相が一変してきている。

ドナルド・トランプ米大統領は5月15日、米国企業が非米国企業の通信機器を使用することを禁止する大統領令に署名した。

同日、米商務省は、米国製品の輸出を禁止する産業安全保障局(BIS)のエンティティーリスト(EL)にファーウェイを追加すると発表した(ただし、禁止令の実施は90日間遅らせるとしている)。

このリストはいわばブラックリストであり、ここに加えられるのは、アメリカの安全保障・外交政策上の利益に反する活動に関与していると見なされた組織だ。

これにより、ファーウェイは、インテル、クアルコムなどが生産する半導体や、グーグル、マイクロソフト、オラクルなどが提供するソフトウエアを使えなくなる。

日本企業を含む外国企業も、米企業の技術を25%以上使った部品をファーウェイに売ることはできなくなる。

また、ファーウェイと共同研究している企業や大学などは、米企業と取り引きできなくなる。

要するに、グローバルなネットワークからファーウエイを締め出そうというわけだ。ファーウエイの叩き潰しに掛かったと言ってよい。

昨年4月には、ZTE(中興通訊:通信設備と通信端末の開発・生産を事業とする企業)が同様の禁輸措置を課されて、倒産寸前に追い込まれた。この時は、習近平国家主席がトランプ大統領に直訴して、制裁が解除されたのだが、ファーウェイが問題などうなるのか、見通しがつかない。(ただし同年8月、米議会は、これに反発し、ZTEを制裁対象に含める国防権限法を成立させた)