GOMAさんの光に導かれる人たち

初日に訪れた会場で、『Monado モナド』の担当編集者さんをGOMAさんから紹介された。その人も番組を見てGOMAさんの存在を知ったのだと言う。そして、すぐにGOMAさんにコンタクトを取ったことからこの本が出来上がったのだと。この人もまたGOMAさんの光に導かれた1人なのだと思う。

会場を出たあと、夢佳ちゃんにGOMAさんの身に起こったことを伝えた。「もしもうちの夫に、来年そういうことが起こったら…と思うと…考えられない…」、3歳の子どものお母さんである夢佳ちゃんは言葉を失った。

家に帰って、詩画集のページをゆっくり開く。

中心があります 私のココロに あなたのココロに 誰のココロにも 見えない中心があるのです

この言葉から始まる谷川俊太郎さんの詩と、GOMAさんの絵が呼応し合い、共鳴し、低音から高音へ、高音から低音へと、一冊の中で、魂が悠久を旅する物語のようなハーモニーを奏でている。

撮影/森清

運命は、ときとして、人の意思とは関係なく、人を闇に連れてゆくことがある。
けれど、その闇を経験したからこそ、光に導いてくれることもある。
GOMAさんの存在そのものが、そんな光にも感じる。事故で脳を損傷したあとに、今までにはなかった能力が下りてきたような、そんなGOMAさんの存在が。

お茶の間の1人としてGOMAさんの番組に感動していた私が依頼を受け、たった今、GOMAさんの原稿を書いていることも不思議な気がする。けれど、もしかしたら、それも決まっていたことなのかもしれない。でも、それも本当のところは誰にもわからない。 

撮影/森清
GOMA 1973年1月21日大阪府出身。ディジュリドゥ奏者・画家。1998年、オーストラリア・アーネムランドにて開催されたバルンガ・ディジュリドゥ・コンペティションにて準優勝。ノンアボリジニ奏者として初受賞の快挙を果たす。2009年交通事故に遭い、奏者としての活動を休止。並行して画家としての活動を開始する。2011年、奇跡的な音楽活動再開を果たす。2012年にはGOMAを主人公とする映画『フラッシュバックメモリーズ3D』が東京国際映画祭にて観客賞を受賞。2018年2月、NHK ETV特集『Reborn~再生を描く~』で取り上げられた。谷川俊太郎がGOMAの絵に詩を添えた『Monad』が刊行したばかり。7月15日まで新宿高島屋10階美術画廊にて個展が開催されている。
Monad』GOMA・絵 谷川俊太郎・詩
「頭に浮かんだイメージを描かずにいられないのです」事故の2日後から突然絵を描き始めたGOMA。彼の脳裏に浮かび上がるイメージの絵に、谷川俊太郎が書き下ろした詩の二重奏。
GOMA展 『Monad』に掲載されている絵の一部とまた別の作品が展示されている。新宿高島屋10階美術画廊にて7月15日まで開催。(最終日は午後4時閉場)そのほかのインフォメーションについてはこちらをご参照ください。