〔PHOTO〕gettyimages

ドイツ銀行破綻で「リーマン級の金融危機」が全世界を襲う可能性

真実の多くは知らされず…

全世界で1万8000人をリストラ

来年、創立150周年を迎えるはずのドイツ銀行だが、果たしてそれまで生き延びられるかどうかと囁かれ始めている。

2015年ごろから何度も立て直しが試みられたものの、やり方が中途半端だったせいか、経営は悪化する一方。かつてドイツ一の規模を誇った由緒ある民間銀行が、今では国家の恥とまで言われる落ちぶれ様だ。

ところが、先週の日曜日、7月7日の午後、同銀行のCEOゼーヴィング氏が、これまでになく徹底した構造改革の計画を発表した。それによれば、将来は株式投資部門を切り離し、本来の銀行業務に戻るという。

また、デジタル化やAIなどで合理化も図る。改革にかかる経費は2022年までで74億ユーロ(1兆円近い)。さらに、世界全体で1万8000人のリストラを断行するというから、まさにドイツ銀行のカルロス・ゴーンだ。ただ、ゼーウィング氏とゴーン氏の違いは、彼が外部からのCEOではなく、ドイツ銀行の生え抜きであることだろう。

この発表の翌日の月曜日、ロンドンのシティー、シンガポール、シドニー、香港などのドイツ銀行のオフィスでは、即座にリストラが始まった。

投資バンカーたちの一部は、出社した途端に解雇を言い渡され、すぐにデスクの私物を整理して社を後にするよう促されたという。コンピューターシステムへのアクセスも、すでに取り消されていた。嘘か本当か、解雇を言い渡された後、デスクにさえ戻れず、そのままエレベーターに乗せられたバンカーの話さえ伝わってきた。

〔PHOTO〕gettyimages

いずれにしても、この過激な改革のニュースで投資家たちの間に希望が湧いたらしく、月曜の朝、ドイツ銀行の株は跳ね上がった。

 

しかし、その後、ゼーウィング氏が、「2019、20年は、株の配当はなし。22年に少なくとも収支をゼロかプラスに持ち込みたい」と発表した途端、株価は再び急降下し、7ユーロを切った。リーマン・ショック前夜の2007年、ドイツ銀行の株価は108ユーロを記録したこともあったのだから、株主にとって、現状は悪夢以外の何物でもない。

肝心の構造改革計画については、英断であると評価する声もある一方、すでに遅すぎるという意見も多い。とくに、ドイツ銀行が増資をしないと言っているため、人員整理で規模を縮小しながら、利益を増すことが本当に可能なのかという疑問が渦巻く。