# 2000万円問題 # サラリーマン # 年金

現役リーマンの将来年金が月20万円、高齢者に食われて消える大問題

言ってはいけない「年金制度」の真実

若者や将来世代を犠牲にする国・ニッポン

少子高齢化の社会で賦課方式の年金制度を運用すれば、若者や(これから生まれる)将来世代が犠牲になるのは明らかだ。

その金額をさまざまな経済学者が推計しているが、もっとも有名なのは内閣府経済社会総合研究所での研究会で鈴木亘氏らがまとめたもので、2012年に内閣府がホームページにアップし日経新聞が報じた。

鈴木氏が論文の純受給率を金額ベースに直しているが、それによれば、これから社会に出る2000年生まれの若者が厚生年金と組合健保に加入すると3720万円の損失、1990年生まれの30歳は3450万円の損失、1980年生まれの40歳で2940万円の損失となる。

この金額を算出するモデルをつくるにあたっては、内閣府の研究員らも参加し、内閣府が自らの名前で公表する必要があると判断したのだから、経済学者の個人的な試算とは意味がまったく異なる。本人になんの責任もないにもかかわらず、20歳時点で4000万円ちかい損失を負わされているのというのは、世代間格差ではなく世代間「差別」だ。

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「リベラル」の正体

だが奇妙なことに、この事実を指摘すると「リベラル」を自称するひとたちから「世代間の分断を煽る」と批判される。一部の医学部が入試で女子受験生の合格者を減らすよう操作していたことが社会問題になったが、彼らはこうした報道も「男女間の分断を煽る」と批判するのだろう。

差別の実態を無視すれば、既得権をもつひとたちは、それをいいことに差別を温存するだけだ。「リベラル」が世代間「差別」に触れるのを極端に嫌がるのは、その多くが年金を受給する高齢者で、自らの既得権にしがみつこうとしているからだろう。

いますぐ年金制度を抜本的につくり直すことはできないとしても、ほんとうのリベラルであれば、目の前にある「差別」を認め、それをすこしでも改善するよう提言していかなくてはならない。

 

それにもかかわらず、テレビや新聞などのオールドメディアは、「老後2000万円不足問題」でさかんに貧富の差(格差社会)を報じているのに、年金の世代間「差別」についてはいっさい触れようとしない。その理由は、社会保障制度の不平等をなくそうとすると、「高齢者の既得権を削って子ども世代に分配すべきだ」という“正論”に至るからだろう。だがこれは、年金だけに頼って生きていくほかない膨大な数の高齢者にとって、ぜったいに受け入れることのできない主張だ。

だからこそ、団塊の世代を読者/視聴者にして成り立っているオールドメディアは、高齢者に“忖度”して、「厚生年金は不公平だ」とか、「現役世代が犠牲になっている」という事実(ファクト)に見て見ぬふりをする。戦後日本社会では、政治でも経済でも団塊の世代(とりわけ男性)が主流(マジョリティ)で、彼らの逆鱗に触れるようなことはいっさいできないのだ。──若いひとたちは、自分たちがこのような社会で生きていくことを真剣に考えた方がいい。

サラリーマンにできる対策は「ない」

そもそも日本の年金制度は、55歳で定年退職して65歳くらいで死亡する時代につくられたものだ。少子高齢化が進むなかで抜本的な制度改革を怠り、その場をとりつくろう弥縫策を繰り返すなかで、サラリーマンの年金保険料の半分がそっくり消えてしまうというとんでもないことになった。

「だったらサラリーマンはどうすればいいか」とよく訊かれるが、その答えは残念ながら「どうしようもない」だ。

この理不尽なシステムは源泉徴収と年末調整によって会社が社員の税・社会保険料を給料から天引き(代理徴収)することで成り立っている。学校のいじめと同じで、いったんタコツボに押し込めてしまえば、あとはなにをしようと勝手なのだ。サラリーマンがこの「罠」から逃れる方法があれば社会保障制度が崩壊してしまうから、あらゆる「抜け道」はあらかじめふさがれている。

「国家の罠」から抜け出るには「システム」の外に出るしかない。その具体的な方法については『貧乏はお金持ち』(講談社+α文庫)で書いているので、興味があれば読んでみてほしい。

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