退職を決めた

健康診断の結果で子宮がんの可能性があるので再検査をするように言われた。O先生にMTXの副作用ではないかと聞きに行った。日赤医療センターの婦人科のU先生を紹介された。子宮頸がんと子宮体がんの検査をする。子宮頸がんⅢbと診断された。

レーザー蒸散術をすることになった。手術時間は15分ぐらいの短いものだった。

医者は否定も肯定もしないが、私はMTXの副作用でがんになったと思った。

友人に会うと「顔色が悪いし、痩せたわよ」と言われた。その頃、インタビューしたアスリートの話では「試合であと一歩足りなかったのは自分の問題だった。不安になり、怖気づいて、試合の前日のギリギリまで練習をした。緊張のあまり睡眠も十分ではなかった。本番では力が出せなかった。ヨーロッパの選手たちは、前日は仲間とリラックスして談笑している。それが僕にはできなかった。そんな余裕はなかった。僕は考えさせられた。悪い結果は当然だと気がついた」。

失敗から学ぶ話はリアリティがあった。私にも当てはまる。薬を飲んで、ギリギリまで追い詰めて仕事をする。余裕はない。力を抜いて、自然体で、勇気をもって一歩前に進みたい。

以前より食べられなくなった。栄養を摂らなくてはと思うが、胃がもたれていた。胃だか十二指腸だかが痛い。

急に心臓がドキドキする。目の前が暗くなることもあった。身体はだるく、肩こりがひどい。そう意識すると、首も痛くなる。肩や肘の痛みも増していく。痛みが痛みを招き入れた。蟻地獄のようだ。

仕事への意欲がなくなって、一所懸命に作っていた笑顔もなくなった。もう気力では持ちこたえられなくなっていた。倒れると確信できた。

Photo by iStock

仕事を辞めたかったが、収入がなくなる。今後の生活が不安だ。どのようにして生きていくのかと考えると辞められなかった。休職という選択肢もある。1年間、療養生活をすれば、身体は快復するのか。長年、積み重ねて悪化させた身体が、1年でかなりいい状態になるとは思えなかった。私は八方ふさがりになっていた。

障害者の手続きをして5年間、頑張ったが、限界だった。

ストレスの1つ1つは小さくても重なると危険な状態に陥る。血管が破壊され、心臓の筋肉を流れる血液が減少する。私は身体も精神もストレスで満杯になり、キラーストレスに陥っていたのだ。

勇気をもって前に進もう。退職を決心した。

次回は7月26日公開予定です

今までの小西さんの連載はこちら