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# 韓国経済

日韓経済戦争が勃発? 憲法9条では対処できない「次世代の戦い」

「武器を使わない戦争」が激化している

外交・安全保障・通商の「一体運営」へ

日本政府が韓国に対して、半導体材料の輸出規制を強化した件について、日韓両国が今週中にも協議を開く方向で調整に入ったと9日付読売新聞が1面で報じた。韓国の文在寅大統領が8日、「日本側の措置の撤回と誠意ある協議を促す」と語っており、日本側もこれを受けた形だ。

この対韓輸出規制については、日韓両国内で元徴用工訴訟の判決を巡る「報復」ではないかと報じられたり、日本国内でも自由貿易を損なうといった論調が見られる。

これに対し、日本政府は、輸出手続きが簡略化できる優遇措置を受けられる国から韓国を除外する、と説明。これは、安全保障に関して信頼を失った国に対して、軍事転用の可能性がある技術などの輸出管理を厳しくするというものであり、昨今の日韓関係を考慮すれば、当然の措置と筆者は考える。

 

そして、この輸出規制強化の問題は、日本という国家の在り方を問う上で重要な試金石になる、ということを敢えて言いたい。

すなわち、日本ではこれまで、外務省が、経産省など他省庁の関与を避けたいがために、外交、安全保障、通商の3政策が一体運営されることがほとんどなかった。いわば国益よりも省益が重視される傾向にあったわけだが、今回の対韓輸出規制は、今後はこの3政策を一体運営すると政府が宣言したに等しい。

昨今の国際情勢は甘くない。米中経済摩擦は先日の「G20大阪サミット」での米中首脳会談によって追加関税措置こそ回避されたものの、グローバルにサプライチェーンを構築してきた企業は生産拠点や調達先の見直しを迫られている。

また、安倍晋三首相が、米国といがみ合うイランを訪問している最中に、ホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃され、米国との仲介役を自負していたと見られる安倍首相は冷や水を浴びせられた。

世界ではこんなことも起こっている。太陽光パネルなどを手掛ける中国の三安光電が15年、ドイツの半導体製造装置メーカーのアイクストロンへの大量発注を突然キャンセル。このためにアイクストロンの株価が急落したが、その隙をついて中国政府系投資ファンドがアイクストロンへの買収をしかけた。

翌年には買収合意に至ったが、アイクストロンの米国子会社が地対空ミサイル「パトリオット」関連の仕事を引き受けていたため、米国が大統領令によって米国子会社の買収を阻止した。後の調査によって、三安光電と中国の政府系投資ファンドが結託した買収戦略だったことが分かった。