7pay事故で判明、日本の「キャッシュレス化」がじつは危ない理由

フィンテックには管理強化が必要
宿輪 純一 プロフィール

フィンテックは金融先進国のものではない

決済インフラ規格の面からみると、フィンテックの進め方に疑問がある。日本は紙幣・銀行制度が整っており、ほとんどの国民が銀行口座を持っている。

一方、キャッシュレスの前例として使用される携帯電話番号で決済ができるケニアの「Mペサ」(Mはモバイル、ペサ〈Pesa〉はスワヒリ語でおカネの意味)は、そもそも銀行制度が浸透していない地域で決済サービスを行うためのシステムである。

米国で普及した「ペイパル」(Paypal)も、リーマンショックが原因でクレジットカードが使えなくなった方々のために必要になったのである。

暗号資産「ビットコイン」(Bitcoin)にしても、米国で誕生して今年で10年であるが、ITの進歩と国家を中心とした財政・通貨制度への疑問が背景にある。

さらに、中国が進めているQRコードを使った「アリペイ」(Ali Pay)や「ウィーチャットペイ」(We Chat Pay)は、そもそも中国は紙幣(通貨)に対する信用が低く、またクレジットカードや電子マネーの機器が価格レベルが高かったこと、さらに国家の国民管理的な思惑も重なり、普及したのである。

基本的な疑問として、これだけ銀行制度が発展し、バーコードや電子マネーが浸透した日本において、QRコードのスマホ決済が必要なのであろうか。

現代日本人は「せっかち」である。たとえば、コンビニでいままでバーコードで、電子マネーでピッっと瞬時にやっていたのに、QRコードの読み取りシステムを立ち上げて読み込むという面倒に耐えられるのであろうか。

もちろん、電子マネー対応やバーコードの費用の負担を回避したい小企業の方には有効であろう。さらにはQRコードになれた国民(観光客)にも有効とは考えられるが。

 

銀行とフィンテックの微妙な関係

銀行などの金融業界は、日本銀行の低金利政策によって経営状況が悪化している。さらに、みずほ銀行の今期の決算にもあったが、リテール部門、とくにその決済業務については対応を縮小させようとしている。その点で、フィンテック系企業によるリテール決済インフラ(サービス)を容認する方向と読みとれる。

また、株主対応などで、たとえ成果がなかったとしても、フィンテックに対して積極的な姿勢を取ることが必要不可欠な状況となっている。

このため、金融庁としても、スマホ決済の管理を銀行並みに上げようとしている。

今回の7payの失態は、これらスマホ決済が、まだ、日本水準の金融になる前の段階であることを示したともいえる。