毎日1200人減少…日本を襲う「出生数ゼロ」という深刻すぎる危機

「無子高齢化」を考える
前田 正子 プロフィール

地方から若い女性と子どもが消えている

2018年の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子どもの数)は1.42である。子どもは男女がカップルになって生まれるので、ようするに男女合わせて2人の人間から1.42人の子どもが生まれる。 

これを男女100人ずついる村で考えてみよう。

男女100人ずつがカップルになった場合、100人の女性から142人の子どもが生まれる。男女71人ずつ(自然に任せると男子が女子より3~5%多く生まれるが、話を簡単にするために男女同数と考える)となるが、またこの71人ずつがカップルになると、次に生まれる子どもは101人となる。

つまり、200人の村が子ども世代では142人となり、孫の世代には101人と減っていくことになる。合計特殊出生率1.42とは、一世代ごとに3割ずつ人口が減っていくということなのだ。

それではこの合計特殊出生率が上がれば出生数は増え、日本の人口減少は止まるだろうか。話はそんなに甘くない。

 

そもそも出産適齢期の女性が今後数十年間は減っていくのが決まっているのだ。2018年の平均初産年齢は30.7歳である。現在、最も子どもを産んでいるのは30〜34歳の女性である。

それでは例えば30歳の女性の人口が今後どうなるか見てみよう。

2015年の国勢調査を見ると、30歳の女性は約69万人いた。その10年後の2025年に30歳になる女性は約59万人と約10万人の減少。2035年に30歳になる女性は52万人と約17万人の減少である。

2048年に30歳になる2018年生まれの女性は約46万人と、2015年比で約23万人、つまり約3割減ってしまうのだ。そのため、一人当たりの合計特殊出生率が少々上がっても、出生数が増える見通しはたたない。

こうしている間にここ15年、毎年500校前後の小中高校が閉校になっている。地方から出産可能な若い女性が消えると、将来うまれるはずだった子どもも消えることになる。そうやって子どもがおらず高齢者だけが住む、まさに無子の地域も出現してきている。