# 住宅ローン # LGBT

住宅ローン問題、LGBTの「同性カップル・ペアローン」の光と影

借り手の視点・住み手の視点で考えた
永易 至文 プロフィール

一方、後者は、Aの名義で4000万円借り、Bがその連帯保証人となり、銀行に対してはAが返済し、Aが返せないときは直ちにBが返済するものです。

連帯保証人とは、借主が返せないとき、貸主からの請求があれば抗弁なしに、ただちに借主に代わって全額を返済しなければならない責任の重い保証人です。こちらは、住宅ローン減税を利用できるのはAだけですし、購入した住宅の登記もAの名義のみとなります。

各銀行ごとの判断で、「折半型」「連帯型」のどちらか一方を、あるいは両方を提供しています。

 

ペアローンに潜む落とし穴

こうしたペアローンが、まだ法律上は「ふうふ」と認められない同性カップルにも適用され、収入合算も認めてくれることは、ふたりで住宅を購入するには好適なサービスであり、社会(企業)の同性カップルなどLGBTへの理解が進んだことの証左として、歓迎するべき動向です。が、保険の回でご紹介したのと同様(※)、その利用にはいくつか留意をしなければならない点もあります。

〇【手数料が2倍】

まず、折半型の場合、ふたりが借主となるため、融資手数料が2倍かかるということです。長期金利の低迷で住宅ローン金利も安く、いまが借りどきだとは言われますが、手数料には留意が必要です(その分、住宅ローン減税で埋め合わせればいいという考えもありますが……)。

実際、銀行も低金利や投資先に苦戦するなか、手数料ビジネスの一つとして同性ペアローンに注目しているのかもしれません。

〇【一方が支払いに困窮】

折半型であれ連帯型であれ、住宅ローンはふたりで長期にわたって債務を背負うもので、それゆえに銀行も公正証書による関係性の保証を求めているのですが、途中で一方が支払いに困窮したり、場合によっては死亡した場合は、少し面倒なことも起こるかもしれません。

たとえば、折半型で家の持分も2分の1ずつ共有にしているとき、一方の返済がないと、抵当に入っている家の半分だけが銀行に差し押さえられてしまうのでしょうか?

公正証書で、経済的にも責任をもって相互に扶助しあうという文言があるでしょうから、カップル内でお金も支え合うことが必要でしょう(もっとも、「ふうふ」とはそういうものですが)。