〔photo〕iStock
# 住宅ローン # LGBT

住宅ローン問題、LGBTの「同性カップル・ペアローン」の光と影

借り手の視点・住み手の視点で考えた

近年、社会の関心が高まる「LGBT支援」。支援する側と、それを受け止める当事者との間には、いまだ感覚の差があるのが偽らざる事実です。みずから性的マイノリティ当事者の行政書士として、普段からLGBTの相談を受けている著者が、寄せられる相談からLGBTをめぐる問題を考える本シリーズ。今回は、LGBTの住宅購入、とくに住宅ローンをめぐる「問題」について掘り下げます。

 

「同性カップル」のペアローン解禁は朗報か…?

近年、「同性カップルも夫婦同様、ペアローンが可能に」「○○銀行が取り扱いを開始」といった話題が報じられます。

住宅ローンには「夫婦ローン」「ペアローン」など、収入合算できるものがあります。それだけ大きな額を借り入れできれば、よりよい住宅を購入することができますが、従来、同性カップルはこのペアローンを利用できませんでした。

なぜなら、同性カップルの場合、仮に一方が亡くなっても他方は配偶者ではないので法定相続が起こらず、ローン債務はもちろん、担保である住宅の承継にも不安があるからでしょう。遺言を書いても、遺留分など第三者の介入を招く可能性も拭いきれません。

〔photo〕iStock

しかし、近年、同性パートナーもこのペアローン利用の配偶者の定義に含め、ローンを提供する銀行が登場し、メディアでもニュースとして紹介されるようになりました。LGBT当事者からも、歓迎の声があがっています。

最初に名乗りをあげたのはみずほ銀行で(2017年7月開始)、同行は同性パートナーを配偶者であると認めるにあたり、渋谷区のパートナー証明書の提出を条件としました。

証明書は原則、渋谷区内に同居するカップル限定ですが、証明書発行に必要とされる合意契約に係る公正証書、および相互での任意後見契約が締結されているカップルであれば、長期にわたるペアローンを共同負担するに足る夫婦に準ずる関係性と認めることができるというものです。その趣旨から現在、渋谷区外の同性カップルでも、同様の公正証書を作成している場合には、ペアローンを提供しているということです。