4つ星以上の商品だけ扱うリアル店舗「アマゾン4スター」本当の狙い

アマゾンの行動パターンから分析
陰山 孔貴 プロフィール

 新事業を矢継ぎ早に展開する「アマゾン」

このようにアマゾンは矢継ぎ早に、それも我々には理解しにくい手を打ってきます。他にも同社の取り組みとしては以下のようなものがあります。

・ 音声認識アシスタント「アレクサ」を搭載したスピーカー「アマゾン・エコー」の発売
・ 全米展開しているスーパーマーケット「ホールフーズマーケット」の買収
・ レジに並ばず食料品を購入することができる新型食料品店「アマゾン・ゴー」の開始
・ 安価なクラウドサービス「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」の提供

この中でも、特に同社の経営にインパクトがあったのが「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」です。

AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)は、開発者と企業がウェブサービスを使ってアプリケーションを構築するためのサービスなのですが、かなり安価に提供されています。

アマゾンがこのサービスをはじめたのは2006年です。当初は大規模投資を行うことが難しい中小企業を中心にサービスをひろげていきました。

そして、その後、大企業やアメリカの国の機関でも同サービスは採用されることになり、アマゾンは現在、世界最大級のクラウドサービス企業となっています。

 

 「アマゾン」の行動パターン

ここでアマゾンがこれまで行ってきたことを少し整理し、要約してみましょう。すると下記のようになります。

・ カニバリゼーションや採算が取れないことを恐れず、果敢に新たなプラットフォームを構築する。
・ プラットフォームの構築がある程度完了した後、オープン化を積極的に行うことにより参加者数を増やす。
・ 既存のプラットフォームと相互に複雑にからませながら激しく成長していく。

アマゾン4スターについても、この視点で見ると新しい景色が見えてきます。

リアル店舗プラットフォームを構築するための実験風景。

そういう景色です。

「アマゾン」が切り開く新しい世界

インターネット上のビジネスでは、サイトに何人の顧客が訪問し、その顧客はどのような特性があり、いつその商品を購入したのか、これらのことを分析し、未来を予測しながら商品・サービスやその品揃え等を変化させていきます。

しかし、このようなことはリアル店舗ではまだ遅れています。

アマゾンが来店者のデータを解析し、季節、天候、イベントという外部データと合わせることにより、未来を予測するプラットフォームを構築する。

そして、このプラットフォームがある程度完成した後、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の時のように一般の中小の小売店に安価でそのサービスを提供しはじめる。

そのようになれば、世界中の小売店がこのプラットフォームを使いはじめることでしょう。