「7pay」不正問題には、日本企業の経営のダメさが凝縮している

これはマネジメントの問題だ
加谷 珪一 プロフィール

最終的にはすべてマネジメントの問題

今回のシステムを開発した企業名は明らかにされていないが、既存システムとの連携などを考えると、同社がこれまでシステム開発を依頼してきた複数の大手システム会社である可能性が高い。システム会社の技術力劣化を指摘する声もあるようだが、さすがに2段階認証の不採用や、登録メール以外でもパスワード変更ができる仕組みについて、その脆弱性を理解していなかったはずはない。

現場からは「この仕組みではセキュリティ上危険だ」という指摘が上がっていた可能性が高く、一方、営業サイドの人間からは、利用者の利便性を最優先する声が出たことも想像に難くない。利便性とセキュリティをめぐって論争になるのは悪いことではなく、最適なサービスにするための重要なステップともいえる。

 

むしろ、経営陣が保身ばかり考え、トラブルを避けたいという意向が強すぎると、某銀行のネットサービスのように、利用者にとって不便極まりないものが出来上がることにもなりかねない。

利便性とセキュリティとの間で対立が起こった時、最終的な決断を下すのは経営者の責務であり、このような場面でこそ経営者としての能力が問われることになる。結果的にこうした脆弱なシステムを作り上げてしまったのは、まさにセブン&アイ・ホールディングスのマネジメントの問題であると筆者は考えている。