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# 韓国

輸出規制で大ピンチ、韓国・文政権がいよいよ「自爆」しかねないワケ

国際社会で孤立しかねない

政府・経済産業省は先週木曜日(7月4日)、2国間の信頼関係が失われたことを理由に、半導体原料のフッ化水素など3品目の韓国向け輸出の優遇措置を停止した。政府は優遇措置停止の第2弾も表明しており、これまで安全保障上の同盟国など27ヵ国を「ホワイト国」と指定、リストに掲載されていない品目の輸出操作を免除してきたが、このホワイト国から韓国を8月中にも外して“普通の国”に格下げするという。

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これらの措置に対し、マスコミや韓国政府は、日韓間の懸案である元徴用工問題に関する報復措置と決め付けて、WTO(世界貿易機関)ルール抵触を取り沙汰する過剰反応をみせている。この波紋は、政財界や証券市場にも広がっている。

確かに、元徴用工問題に関する大法院(韓国の最高裁)判決が昨年10月末に出て以来、様々な問題が重なり、日韓関係が同盟国とは言い難いレベルまで悪化しているのは事実だ。しかし、今回の政府の措置には自由貿易の枠組みを壊す意図はなく、その手前でできることを模索したものと言うべきだろう。

そのことを理解せずに、ステレオタイプの解釈をすると、日韓関係は益々こじれて、両国経済や両国民のくらしにとって不幸な事態を招きかねない。今度こそ、韓国政府には、日本政府のメッセージを冷静かつ正確に受け止めて貰いたい。

 

「もはや韓国を同盟国とは思えない」

まず、簡単に、最近の日韓関係を振り返っておこう。2国間には文在寅(ムン・ジェイン)政権成立以前から様々な火種があったが、今回の関係悪化の直接のきっかけは、韓国の最高裁にあたる大法院の昨年10月末の判決と、それを受けたムン政権の対応にあった。

判決は、日本製鉄(旧新日鉄住金)に対して、第2次世界大戦中の強制労働を理由に韓国人原告4人に合計4億ウォン(およそ4000万円)の損害賠償を支払うよう命じたものだ。

判決を受けて、ムン政権は、行政は司法の判断に従わざるを得ない、三権分立だと述べて、知らん顔を決め込んだ。この対応は、歴代の両国政府が元徴用工問題について1965年締結の日韓基本条約や日韓請求権協定で解決済みとしてきた立場を真っ向から否定するもので、すでに多額の補償を韓国政府に支払ってきた日本には容認しがたいものだ。

日本政府は繰り返しメッセージを送り、2国間協議を開いて誠意ある対応をするように求めてきた。それにもかかわらず、韓国政府は無視し続けた挙句、日本企業の新たな賠償を前提にした話し合いならば応じると主張、日本を失望させた。

軋轢は元徴用工問題にとどまらなかった。

昨年12月には韓国海軍の艦船による自衛隊機へのレーダー照射問題が勃発。今年4月には、韓国による福島など8県産の水産物の輸入禁止を不当として提訴した日本がWTOの2審で逆転敗訴する騒ぎがあった。さらに、根底には、昨年来、国連安全保障理事会の制裁決議に違反して北朝鮮船舶が行う「瀬取り」について、韓国船籍の船舶の共謀や韓国政府の取締り怠慢の疑いが絶えない状況もある。

こうした状況のもとで、日韓関係は陰悪になり、筆者の非公式取材に外務省幹部がもはや韓国を同盟国とは思えないとため息をつくような状況になっていた。

一方で、国内的には、参議院議員選挙の公示を控えて、自民党を中心に事態の打開のために韓国に対して何らかの措置を採るべきだという意見が強まっていた。政府としてはもはや慎重対応だけではもたない、何か新しいメッセージを送って明確な意思表示を行わざるを得ない立場に追い込まれていたのである。これが、今回の措置の背景だ。

 
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