5000人と面談して見えてきた「転職でつまずく人」の共通点

「会社の評価に納得いかない」は黄信号
山田 実希憲 プロフィール

「違って当たり前」に慣れる

初めて社会に出て、社会人としての当たり前を同じ会社の中で学んできた杉山さん。挨拶やメールの書き方、社内での立ち振る舞いなど、仕事に関する価値観は全て前職で形作られたといっても間違いありません。

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転職して最初にとまどうのは、職務内容ではなくてこういった自分にとっての当たり前が、当たり前ではないことに気付かされた時かもしれません。「部長!」と役職名で、時には名前すら省く会社もあれば、代表取締役も「~さん!」と名前で呼ぶ会社もあります。会社独自の価値観に対して、受け入れるのか、拒絶するのかによって、当事者意識も違ってきます。

価値観は過去の経験によって出来上がっていくものなので、違っていて当然です。違いがある中で認めながら、いかに改善していくのか、場合によっては自分のやり方を合わせていく柔軟性がポイントになります。自分の当たり前が、その会社では当たり前ではないことを受け入れながら、違って当たり前という新しい価値観をつくりあげる必要があります。

 

入社する前と後のギャップについても同じことが言えます。違うことを前提にしていれば、少々のギャップには惑わされません。勝手に会社に期待して、勝手に会社に裏切られたという人がいます。期待するなということではありませんが、価値観が違うことを嘆くよりも、違うことを発見と捉える人は余裕が持てるはずです。

自らが会社の雰囲気をつかもうとする傾向は、管理職人材に多く見受けられます。自分のレポートライン(報告し、承認を得る上司)といった意思決定者や仕組みを意識しているためです。

認めてしまえば、協力者も増える

杉山さんにとって大事なのは自分のやり方を押し通すことではなく、成果を出して会社に貢献することです。新しい会社のやり方に沿って、素直に実行に移してみることにしました。

スキルも経験も申し分のない人に限って、プライドが邪魔する、という状況は起こり得ます。また中途社員に慣れている会社と、慣れていない会社があります。どのように声掛けをしたらよいか、元々いる社員からしてみても、協力が余計なお世話になってしまうのではないかとアドバイスを躊躇するケースがあります。

このようにお互いに価値観のすり合わせの機会を探っているので、新しい環境に入ったら、自己開示をしながら、価値観を違うことを認めあっていきましょう。

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今回は実際の2人の転職後の状況から、好転するために意識したことを中心にお伝えしました。転職は手段の一つなので、転職しない選択肢も多いに認められるべきです。生き方と働き方を重ね合わせるような転職が良い選択となるように、価値観に違いがあることは前提として心にとめておきましょう。

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