NHK、過去最高額「7332億円の収入」に問う受信料の存在意義

国民の不満は静かに広がっている
時任 兼作 プロフィール

これ以外にも気になる人事があった、とも言う。

「政治部長、報道局長と歩んできた荒木(裕志)理事がやはりこの4月、専務理事に就任。政権寄りで有名な小池(英夫)現報道局長の後ろ盾として発言力を増した結果と言われ、懸念されている」

昨年には、森友学園問題を追及していたNHK記者の相澤冬樹氏が、小池氏の圧力を受けて左遷され、辞職した。その後相澤氏は、NHK報道の舞台裏を記した『安倍官邸vs.NHK』(文藝春秋)を上梓している。

 

「公共放送」を名乗るのならば

こうしたNHKの現状を見た時、受信料のあり方、さらに言えばNHKの「存在意義」を改めて問わざるを得ない。

今後NHKがスマホやカーナビに対しても受信料徴収を徹底するなら、いまや「お題目」と化している「公共放送」としてのあり方を徹底し、資産や子会社をすべて整理したうえで、公益に特化した活動体となるべきではないか。

たとえば、衰退の一途をたどる活字――報道だけでなく文芸なども含めた文字文化の保護、映画や音楽への補助など、メディアの活動全体を活性化するための公益団体のような未来像は十分に考えられる。あくまでも収益増加を重視するというなら、完全民営化の方向性もある。

高額な受信料が真に「公共」のために使われているのか。NHKはいま、国民のそのような厳しい視線が自らに向けられていることを自覚すべきだろう。