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「社外取締役」が、企業とこの国をダメにする

いったい、彼らの仕事は何なのか

形ばかりの役員会に出席し、高額報酬を受け取る社外取締役がうようよいる。ガバナンス強化とは名ばかり、不正が噴出した企業にかぎって、社外取締役登用を謳っていた事実を忘れてはならない。発売中の『週刊現代』で、ジャーナリストの井上久男氏がその実態を報じている。

11人中7人が社外取締役

日産元幹部はこう憤っている。

「本来、社外取締役には『空気』を読まずに、社長に対して耳の痛いことを意見具申する機能が求められる。しかし今回の日産の人選を見ると、西川(廣人)社長に意見するどころか、忖度しそうなメンバーばかりではないか」

カルロス・ゴーン前会長による事件を受け、日産は、ガバナンス改革の目玉として、社外取締役が中心となる「指名委員会等設置会社」への移行を打ち出した。

選任された11人の取締役のうち7人が社外取締役となる。6月25日の定時株主総会で、移行のための定款変更が承認された。

経営の透明性を高めるべく導入された社外取締役は、現在、東証一部上場企業のほぼすべてで選ばれている。取締役総数1万9267人のうち5637人が、社外取締役だ('18年8月調査)。

 

日産は、社外取締役の権限をさらに強めるための移行を行ったといえる。取締役人事を決める「指名」、役員報酬を決める「報酬」、役員が適正に仕事をしているかをチェックする「監査」の3委員会のトップには、すべて社外取締役が就いた。

だが、これら社外取締役の顔ぶれを見ると、経営への監視という観点から疑問符がつく。

まず、3委員会のうち2委員会のトップが経済産業省関係者だ。指名委員会委員長には、同省で事務次官に次ぐナンバー2・経済産業審議官をかつて務めた豊田正和氏、報酬委員会委員長には元同省産業構造審議会委員でレーサーの井原慶子氏がそれぞれ就任した。

いま日産は、ルノーに対して目に見える形での対等な関係を求め、激しい折衝を行っている。

自動車産業は雇用や税収など国益に直結するため、日仏政府間の交渉もポイントになる。ましてルノーの筆頭株主はフランス政府であり、交渉の行方のカギを握っている。日産が対抗するためには、経産省、日本政府の後ろ盾が欲しいところだ。

ゴーン氏の事件では、日産は検察庁と一体となって立件に協力し、今後の裁判でも引き続き協力し合う関係にある。経産省や同省関係者を社外取締役の主要ポストに就けたのは、「政府への忖度」と見られても仕方ない。