2019年上半期IPOを総括したら見えてきたこと

全体的に小粒化しているのか…?
田中 博文 プロフィール

ファイナンス総額はSansanの389億円が最大

<ファイナンス総額>

公募・売出を含むファイナンス総額(OA含む)ですが、10億円未満が昨年上期の16社から14社に減少し、一方で10~30億円が12社から19社と増加しました。この30億円までで32社となり全体の85%になります。一番小さいのは日本グランデの1億3900万円(公募1億400万円、売出 3500万円)で、一番大きいのは、Sansanの 389億円(公募21億円、売出368億円)でした。

<オファリング>

次にファイナンス総額と同じくらい重要で、時価総額の何%をマーケットに放出するかという指標のオファリングレシオ「(公募数+売出数)÷発行済株式総数(公募含む)」ですが、これは、昨年上期平均が27.8%、今年上期平均が 24.1%でした。要はIPO時に約4分の1のファイナンスを行っているということになります。これはマーケット環境に関係なく、従来からこの程度の比率になっています。

 

今回一番小さいのは、インターネットを利用した各種情報提供サービス、広告業および広告代理店業、インターネットホームページの企画立案、開発、管理及びそれに付随する業務のブランディング・テクノロジーの9.7%でした。

一番大きかったのは、事業子会社5社(戸建注文請負、土地仕入及び販売、建売住宅の販売、建築物の設計・施工監理など)の経営管理を行う持株会社のKHCで、45.1%で、すべてがファンドの売出でした。これは通常ファンドのイグジット案件になるとオファリングレシオが大きくなり、マーケットで消化出来ず、公開価格割れになる場合が多いのですが、本件も公開価格850円が初値832円と初値割れとなっています。

昨年上期と比較し、全体的に小粒になっている印象

全体としては、上場社数、上場市場などは、昨年上期と大きな変化はありません。一方で今年は日経平均が2万円台など、株式市場全体の軟調さにも影響を受け、PER倍率は昨年上期よりも低く、結果として時価総額も小さく、全体的に小粒になっており、IPO市場にとっては、比較的保守的な市場だったと言えます。

引き続き、下期もIPOに期待したいと思います。