2019年上半期IPOを総括したら見えてきたこと

全体的に小粒化しているのか…?
田中 博文 プロフィール

株式時価総額はSansanの1346億円が最大

株式時価総額

公開価格で計算した株式時価総額の分布ですが、50億円未満で19社と半数ですが、100億円~500億円が12社から7社に減少し、その分が50億円~100億円のレンジで5社から11社にスライドしています。要は小粒になってきたということですね。今年上期で一番小さいのは、日本グランデの8億 6300万円です。

一方で、一番時価総額が大きかったのはSansanの1346億円でした。一昨年上期はスシローの988億円、昨年上期はメルカリの4060億円が最大でした。Sansanは現状まだ赤字でありながらも、そのビジネスモデルの成長性が評価され、そういった意味では昨年のオーガニックなIPOであるメルカリと同じような、成長性が見込めれば現状赤字でも、大きな時価総額がつくということであり、今後のIPOの一つの流れになっていくことと思われます。

過去の1000億円以上の大型上場は2014年のリクルートホールディングス1兆7994億円、西武ホールディングス5474億円、ジャパンディスプレイ5412億円、すかいらーく3378億円、日立マクセル 1104億円と通期で5社あり、2015年もゆうちょ銀行が6兆5250億円、日本郵政が6兆3000億円、かんぽ生命が1兆3200億円、ベルシステム24ホールディングスが1136億円、デクセリアルズ1008億円の5社ありました。

2016年はLINEが6929億円、JR九州が4160億円の2社。2017年は1000億円超はなく、2018年はソフトバンクが7兆1800億円、メルカリ4020億円、MTG 2241億円、ワールド1043億円の4社でした。

 

公開価格割れは昨年同様2社

<初値騰落率>

初値騰落率は、少し騰落率が下の引っ張られている印象です。38社のうち、公開価格割れが一昨年4社、昨年2社、そして今年も2社と横ばいですが、騰落率300%以上(100%で公開価格の2倍)は6社からゼロとなり、一方で公開価格の130%内の初値が昨年4社から11社と3倍近くになり、あまり高い初値がつきにくくなっている状況です。

参考までに、初値騰落率が一番高かったのは、Amazon Web Services(AWS)のインフラ基盤構築、リセール、保守・運用代行のサーバーワークスで、公開価格4,780円が初値18,000円となり初値騰落率276%、一番低かったのは大英実業で、公開価格が1,520円に対し初値が1,330円と初値騰落率マイナス6%でした。