2019年上半期IPOを総括したら見えてきたこと

全体的に小粒化しているのか…?
田中 博文 プロフィール

申請期売上高は大型化、経常利益は底上げの印象

<売上高 経常利益>

申請期の売上高見込みですが、昨年上期と大きく変わっていません。一昨年上期から10億円台と60億円~100億円の2つの山が出来ていましたが、今年は100億円超が突出して数が多かったことになります。

今年上期で売上が最も小さかったのは、新卒学生向けリクルーティング・プラットフォーム「外資就活ドットコム」、若手社会人向けリクルーティング・プラットフォーム「Liiga」の運営管理等ハウテレビジョンが8億2500万円、最も大きかったのは、土木・建築工事の施工管理及び建築設計業務を中心とした総合建設業の日本国土開発で1241億円でした。

一方で経常利益ですが、昨年上期はメルカリが利益非開示としていましたが、結果的に赤字でした。今年は3社が赤字でした。

上昇社数が違うことも考慮しなければいけないとは思いますが、今年は10億円超の利益の会社が減少し、その分5億円~10億円のレンジの会社が増えたことになります。

参考までに経常利益が一番大きかったのは、日本国土開発の116億円、一番小さかったのは法人向け名刺管理サービス「Sansan」及び個人向け名刺管理アプリ「Eight」の提供のSansanのマイナス9億7600万円でした。

 

予想PER平均は大幅上昇の28.3倍から21.4倍と下落

<予想PER>

次に公開価格(※初値ではない)による予想PERですが、今回は平均PERが21.4倍と、昨年の28.3倍から大きく下がりました。これは10倍未満の数が昨年上期の2社から9社と大きく増加し、30倍~50倍が6社から3社、50倍以上の先が4社から2社となったことによるものです。100倍超は母数に含んでいませんが、100倍超は今回ありませんでしたので、やはりPERは下降傾向だったと思われます。

参考までに、一番低かった予想PERは不動産分譲事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業の日本グランデ、新築マンションの分譲を中心としたマンション事業及び新築一戸建ての分譲を中心とした住宅事業の大英産業が共に3.8倍でした。どちらも不動産関連事業であり、日本グランデは札幌アンビシャス、大英産業は福証に上場となります。

また一番高かったのはAI、クラウドインプットによる情報生成技術を活用した金融情報メディア(「みんなの株式」等)の運営並びに金融機関向け情報系フィンテックソリューションの提供のミンカブ・ジ・インフォノイドで、86.1倍でした。

これには昨年上期の日経平均が2万2000円台だったのに対し、今年は年初2万円割れからスタートし、その後も2万円から2万1000円台だったことも影響していると思われます。