老後2000万円を信じて「ダメ投信・ダメ保険」を買った人の悲劇

本当に必要な額は計算できる
岩城 みずほ プロフィール

「年収の50%」を上回る水準

現在の年金制度については現役世代に対する不利益ばかりが強調されがちですが、決してそうとばかりは言えない側面もあります。

たとえば物価上昇で年金額が上がる場合、それを負担するのは現役世代ですから、年金額の改定は現役世代に十分配慮して行われるようになっています(現役世代に近い68歳までは「賃金水準」に当たる「名目手取り賃金変動率」によって改定を行います)

 

年金制度は、少子高齢化が進むことで支える力が弱くなる一方、高齢者の余命は伸びて年金受給期間も長くなって支給総額が増加することをきちんと想定して作られています。少子高齢化が進んでも年金制度が維持できるように、保険料の上限を固定して、その限られた財源の中で、年金給付水準を徐々に調整する仕組みである「マクロ経済スライド」がそれにあたります。これは年金額が増える場合には、その伸び幅を少し縮めるものです。

もちろん年金額は下がることもありますが、給付水準は、現役世代の平均年収の50%を上回る水準(所得代替率50%以上)を確保できるように決められています。また、年金の財源は、私たちが支払う保険料の他、基礎年金の2分の1は国庫負担によって賄われています(税金が投入されています)。

さらに、無限の将来にわたって年金財政を均衡させるというこれまでの「永久均衡方式」を見直し、積立金は約100年後に給付費の1年分程度を保有する「有限均衡方式」となりました。これによって、現在保有している積立金は次世代への給付に活用されます。また、少なくとも5年ごとに財政検証が行われることになっています。

こうした年金制度への理解を踏まえたうで、自分の老後資金はどれくら必要なのかを考えることが大切です。では、具体的に、働き方によって自助努力で貯めなければならない老後資金はどう変わってくるのでしょうか。

前述した「人生設計の基本公式」を使って、3つのケースで試算してみました。