終わりの見えない闘いにさした「治療」という光

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書きたい。書かねば、自分は何も書けなくなってしまう。でも加害者の反応が怖い。2回目の逮捕を目標に、ひとりで加害者と闘いながら逡巡していたときに、ストーキングが依存症の一種、精神の病態であることを書いた本と出会う。すべてが腑に落ちた。加害者との異常なやりとり、話が全然通じない様子のなにもかもが、精神の病態というのならば、納得できる。

そして病気ならば、治療をすればいいのだ。幸いにして治療方法も認知行動療法、条件反射制御法と、2つも存在し、どちらもまだ少ないながらも加害者治療に効果を発揮しているという。同時にストーカー被害者の立場から、要請があれば加害者と直接対峙するカウンセラー、小早川明子先生の存在を知り、すぐに連絡をとり契約することができた。これでとりあえずは加害者と直接やりとりせずに済む。

加害者への治療によって被害者への執着が、憎しみが、接触衝動が消えるのならば、どんなに安心か。長年ストーカーと向き合ってきた小早川先生から、どれだけカウンセリングしても相手への接触衝動を抑えられないストーカーたちが、条件反射制御法によって憑き物が落ちたかの如く執着を落とすという話を聞き、目の前がぱああっと明るくなった。ようやくゴールが見えて来た。これで安心が、日常がとりもどせると、小躍りした。

でもしかし。これまで警察も検察も、そして弁護士たちも、だれひとりストーカーへの治療のちの字も口にしなかったんだが。これは一体どういうことなのか。