安倍首相「沖縄の基地を減らすことに尽力すべき」と発言した過去

「アンチ・リベラル」という姿勢
中島 岳志 プロフィール

ただし、安倍さんが改憲に消極的だったというわけではありません。「憲法を不磨の大典のごとく祀りあげて指一本触れてはいけない、というのは一種のマインドコントロール」と述べ、次のように言います。

私は、三つの理由で憲法を改正すべきと考えています。まず現行憲法は、GHQが 短期間で書きあげ、それを日本に押し付けたものであること、次に昭和から平成へ、二十世紀から二十一世紀へと時は移り、九条等、現実にそぐわない条文もあります。 そして第三には、新しい時代にふさわしい新しい憲法を私たちの手で作ろうというクリエイティブな精神によってこそ、われわれは未来を切り拓いていくことができると思うからです。 (『この国を守る決意』)

親米派の安倍さんは、イラク戦争についてもアメリカを支持。自衛隊派遣についても民主制を定着させるという「大義」と石油確保という「国益」のために、積極的に進めるべきとの立場をとりました(前掲書)。

 

安倍さんの親米という姿勢は揺らぎません。

「世界の中の日米同盟」とは日米安保条約による日米のこの絆、同盟関係を世界のあらゆる場面で生かしていくということです。米国との力強い同盟関係を、世界で日本の国益実現のテコとするということでもあり、国際社会の協力構築にも資することになります。(前掲書)
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ただ、沖縄の基地負担については、しっかりと対策を講じなければならないと言及します。沖縄の基地は「可能な限り減らしていく」ことに尽力すべきであり、「沖縄に過度に基地が集中しているという現実には、やはりわれわれ政治家は、正面から向き合わなければならないと思います」と述べています(『「保守革命」宣言』)。

この点、沖縄県知事と対立し、辺野古移設を進める現在の安倍首相はどのように過去の発言を振り返るのでしょうか?

おそらく辺野古移設こそが普天間基地の返還の唯一の方法であり、沖縄の負担軽減になると主張するのだと思いますが、沖縄の理解が得られていないというのが、玉城デニーさんが8万票以上の大差で勝利した2018年の沖縄県知事選挙の結果なのでしょう。