安倍首相「沖縄の基地を減らすことに尽力すべき」と発言した過去

「アンチ・リベラル」という姿勢
中島 岳志 プロフィール

日米安保強化を一貫して強調

外交・安全保障については、当初から一貫して「日米基軸」を強調し、日米安保の強化を説いています(『「保守革命」宣言』)。ちなみに安倍さんが大きな影響を受けたという西部邁さんは、一貫した日米安保反対論者でした。

安倍さんはアジア主義への警戒を強調します。

われわれはアジアの一員であるというそういう過度な思い入れは、むしろ政策的には、致命的な間違いを引き起こしかねない危険な火種でもあるということです。(前掲書)

日本は「欧米との方が、慣習的には分かり合える部分があるのかもしれない」。かつて岡倉天心が『東洋の理想』で説いた「アジアは一つ」という観念は、排除するべきであると主張します(前掲書)。

 

安倍さんが言及するのは、中国やベトナム、北朝鮮など共産主義国との価値観の違いです。同じアジアといっても国家体制が違いすぎる。価値の体系も違いすぎる。そのような国とは、やはり距離をとるべきだというのが主張の中心にあります。

この観点から、アジアに「マルチな対話機構」もしくは「集団安保機構」をつくって安全を確保すべきという意見に強く反発します。これは「絶対に不可能」と断言し、アメリカが最も重要であることを繰り返し確認します(前掲書)。

安倍さんは当選当初から、集団的自衛権を認めるべきとの見解を示していました。

「現行憲法のもとで後方支援の範囲内での行動の前提となる集団的自衛権くらいは、せめて認めなければならない」とし、憲法改正以前の問題だと論じています(前掲書)。

このような信念があったからこそ、のちに憲法九条の改正をせずに安保法制の整備を進めたのでしょう。